訃報

清水一行『動脈列島』をめぐるエトセトラ

清水一行が今月15日に亡くなった。23日の7時のNHKニュースでは、死因は老衰と伝えられていたが、79歳で老衰とはちょっと若い気もするが……。 作家の清水一行さん死去 経済小説の第一人者(『中日新聞』3月23日) それはともかく、清水一行といえば、1975年…

テレビの全国ネットワークの成立と藤田まこと

藤田まことが2月17日に亡くなってから、『てなもんや三度笠』についてなどちょっと調べてみた。 1962年に大阪の朝日放送の製作で放映開始された『てなもんや三度笠』は、その前年にはじまっていた日本テレビの『シャボン玉ホリデー』とともに、日曜の夕方6…

高気圧がある。――眞木準と全日空の沖縄キャンペーン

速水健朗さんが『週刊アスキー』の連載「恋のDJナイト」(8月4日号掲載分)で、航空会社の沖縄観光キャンペーンをテーマにとりあげ、なかでも山下達郎はその常連だったと書いている。 (引用者注:山下は)'79年の『愛を描いて―LET'S KISS THE SUN』でJAL…

ウォルター・クロンカイト死去

アメリカの元ニュースキャスター、ウォルター・クロンカイトの訃報が伝えられる。17日死去、92歳。もっとも、キャスターという語は、故・筑紫哲也の『ニュースキャスター』(集英社新書、2002年)によるとどちらかといえば和製英語に近く、本家のアメリカで…

平岡正明死去

午前中、速水さんのところで第一報に接して驚いた。その後公式にも発表された模様(共同通信の記事)。 平岡氏といえば、ちょうど一ヶ月前に、その新刊『昭和マンガ家伝説』(平凡社新書)を「日刊新書レビュー」でとりあげたばかりである。ただ申し訳ないけ…

ピナ・バウシュ死去

きのう、id:nzjさんのブログで初めて知りました。6月30日死去、68歳。うちでとってる中日新聞では夕刊に訃報が出てたけど、扱いは小さかったです。 ピナ・バウシュといえば、楠田枝里子が熱烈なファンとして知られ、『ピナ・バウシュ中毒』という本まで出し…

マイケル・ジャクソン死去

朝8時半のNHKニュースで初めて知りました。1958年生まれで50歳というと、小室哲哉と同い年なのか。 マイケルの代表作というと、今回の訃報でも「スリラー」が真っ先にあがっていましたが、僕としては本家よりも「ひょうきんベストテン」でのウガンダ・トラの…

忌野清志郎、がんに死す

夜中、ネットのニュースでその訃報を知る。TBSテレビでの第一報を伝えた安住紳一郎が、忌野「セイシロウ」と読んでいたのには少々憤慨したが、その横でビートたけしが、売れる前にはRCサクセションの前座を務めたこともあるといった話をしていて、興味深かっ…

粟津潔氏死去

粟津氏に先立ち、昨年末には木村恒久が、今年に入ってからは福田繁雄、早川良雄と、ここ最近グラフィックデザイン界の巨匠たちの訃報があいついでいるなあ……(朝日の記事)*1。 粟津潔の作品で僕が真っ先に思い浮かべるのは、大江健三郎の『万延元年のフット…

コピーライターにして、回文作家。

土屋 耕一氏(つちや・こういち=コピーライター)27日午前3時50分、肝細胞がんのため東京都千代田区の病院で死去、78歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻郁子(いくこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。 東京コピーライター…

誰よりも先に未来が見えた人

グラフィックデザイナーの木村恒久氏が昨年12月27日に死去していたとの報(共同通信1月6日配信の記事)。ちょうどその少し前ぐらいに、「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏による巻頭言(「今日のダーリン」2008年12月12日付)で木村氏のエピソードが紹介さ…

『未来への遺産』を残したディレクターの遺産

日付が5日に変わろうとする頃、中日新聞のサイトで元NHKディレクターの吉田直哉の訃報を知る。先月30日に亡くなったという。現在の大河ドラマや「NHKスペシャル」に代表される大型ドキュメンタリーの原型をつくったのもこの人で、その功績は計り知れない。ち…

ハルキとバナナの作品を映画化した唯一の人

市川準がきょう未明に亡くなったことをニュースサイトで知る。59歳。野田凪に続いて、またしても映像系クリエーターの急な死に驚く。 考えてみればこの人は、よしもとばななと村上春樹という、人気作家でありながら映像化作品の少ない(とくに春樹は極端に少…

意表を突き続けたアーティストの意表を突く死

ネットのニュースサイトで野田凪の訃報(9月7日死去)を知る。34歳とは若すぎる。公式サイトによれば、数年前に起きた事故の後遺症から用いた強い鎮痛剤誤飲による不慮の事故だという。 そういえば当ブログでは、彼女の手がけたHALCALIのアルバムジャケット…

中身が先か入れ物が先か

建築家の鬼頭梓が20日死去したとの報あり。82歳。前川國男の弟子筋にあたる人で、とりわけ図書館建築において多くの作品を手がけており、代表作に日野市立図書館(東京都)などがある。 そもそも日野市立図書館は1965年に一台の移動図書館によって活動が始め…

パンダのホアンホアンをくれた人

北京五輪のさなかに元中国首相・華国鋒死去。87歳。不謹慎ながら、まだ生きていたのかというのが率直な感想。 華国鋒というと僕としては、パンダのホアンホアンを日本に贈った人というイメージが強い(写真はそのときの様子。右端に写っているのが華国鋒で、…

塚田茂氏死去

放送作家の塚田茂氏が今月13日に亡くなられたという報道が。 http://www.asahi.com/obituaries/update/0516/TKY200805160067.html?ref=rss 塚田茂がどういう人かは、僕が先月メルマガに寄稿したコラムでも少し紹介したのだけれども(「放送作家のあがり方」…

原田勝正氏死去

訃報というのはあいつぐもので、草森紳一氏同様、僕がその著書をかなり所有している人物のひとりである原田勝正氏が亡くなった。 それにしても共同通信配信の訃報のそっけないこと。 原田勝正氏死去 和光大名誉教授 2008年4月10日 19時30分 原田 勝正氏(は…

『広告批評』休刊

きょうの東京は一日中雨が降っていて、けっこう冷えます。4月に入っても気温の変化が激しいせいか、川内康範、小川国夫、白髪一雄と著名人の訃報も相次いでますね。各氏に対し謹んで哀悼の意を表します。それにしても、白髪氏は生涯一貫してアクションペイン…

草森紳一氏死去

きのうは朝から北関東某所に出かけ、夜には都内某所へ移動、その後原稿執筆のため自宅近くのネットカフェで一晩すごし、朝食を外でとってから帰宅したので、ほぼ一日家を空けていたことになる。 で、帰って、メールをチェックしたら(ちなみに丸一日で届いた…

江藤と星野とドアラと

帰宅してからネットで江藤慎一の訃報を知る。現役時代は当然知らないわけですが(中日ドラゴンズをやめることになったとき、地元ファンのあいだでは残留を懇願するデモが行なわれたらしいですね)。セ・パ両リーグで首位打者に輝いた史上初めて、かつ現時点…