苦節9年…ってほどでもないけんどよ

昨晩調子に乗って冬コミ用の原稿あれこれを書いてたら、とうとう一睡もしないまま朝を迎えるはめに。その上に缶コーヒーをがぶ飲みしたらこめかみがややズキズキする。そんな状態で昼から新宿にて某誌編集長と打ち合わせ。
実はつい三日前にライターデビューから9年を迎えたものの、ぼくはこれまで自分の提案した企画が通って実現したことがほとんどなかった。それが今回ようやく企画を通すことができ、まずは第一関門を突破。もちろん喜んでいるだけではいられない。思った以上にこの仕事はでかいものになりそうだからだ。これをちゃんとした形で雑誌で発表できるかどうかで、ぼくの今後のライターとしての人生は大きく左右されるのではないか。そんな気さえしている。
今回の仕事は、ネット界隈では話題になっているものの、紙媒体では大きくとりあげられたことがまだあまりない作品というか現象を、ちゃんと取材したり裏を取りながら本格的にまとめるというものになりそうだ。
しかしネットが普及してからというもの、こういった事象がいかに多いことか。ぼくが今年6月に『クイック・ジャパン』誌上にて短い文章で紹介したナウル共和国についても同様のことがいえる。ナウルというのは、様々な原因によって一時的にではあるが一国丸ごと国際社会から音信を絶った小さな島国なのだが、ネット上などでは「どうなっているんだ!?」と話題になりさえこそすれ、それをかつて同国を旅行した人や騒動直後に現地を訪れた外務省の大使などに話を聞いて、まとまった形で事件を紹介したという例はほとんどなかった。ないからぼくが『QJ』の当時の編集長に頼まれて書くことになったのだが。まあこれはなかなか面白い仕事だった。
結局のところ、事件というのはある程度まとまった形にしなければのちのちまで残らないような気がする。ネットの普及によって雑誌や本の役割の多くはずいぶんそっちへ移行しちゃったけれども、それでも唯一残されているのは断片をかき集めて再構成して、ちゃんとまとまった形で見せるという役割なんだと思う。
さて、今回の企画は満足したものになるかどうか……しかし、来年1月発売予定の雑誌なのに、締め切り予定日が来月10日ってのは早いなあ。恐るべし、年末進行!