冬コミにて近藤正高雑文集『Re:Re:Re:』発売

12月30日のコミケにて、当サークル「ZAMDA」にいらっしゃってくださった皆さん、本当にありがとうございます。
今回のコミケでは、予定していた『ZAMDA』の発行を年明け以降に延期することに2週間ほど前になってから決め、代わりにぼく自身がこれまでにあちこちに書いてきた文章(はてなで書いたものも含めて)をまとめて小冊子をつくることにしました。で、どうせありものでつくるんだしこれなら簡単にできるだろうと楽観していたのですが、そうは問屋が卸さない。直前になってヒーヒー言いながら制作に追われ、結局コミケに参加する当日未明にタクシーを走らせ、西新宿のキンコーズでコピーをし、その近くのファミレスで製本に追われるはめになりました。コミケ会場にたどり着いたのも入場時間の朝9時を少しまわったところで、本当にかつてないほどの綱渡りをしながらのコミケ参加となってしまったわけです。
ちなみに今回発行した個人誌『Re:Re:Re:』(レ:レ:レ:)Vol.1の内容は次のようなもの。

三島由紀夫・幻のレコードを聴く ―どう聴いても俗悪キッチュ。誰かリミックスし直して踊らせろ!(2000年)
●あれから13回目の2月9日、手塚治虫の墓参りへ行く(2001年)
●映画『WASABI』改題『WASEDA』撮影快調…!?(2001年)
WTCワールド・トレード・センターは、まだ日本で健在だった!?(2001―02年)
リアルは細部にこそ宿るのだ ―ミニチュアランドの建物制作のひみつ(2001―02年)
●追憶の21世紀 第1回 モー牛病、日本を襲う。―2001年の巻(2001―02年)
大橋巨泉議員辞職はすでに彼自身が予告していた! ―33年目に明かされる「はっぱふみふみ」の謎(2002年)
●拝啓綿矢りさ様、文藝賞受賞第一作目の小説は貴女の水着写真集付きで出版してくださいませんか ―あるいは作家とビジュアルイメージについて(2002年)
●安い予算と短い時間でインパクトのある映画の撮り方、教えます ―バカ映画伝道者としての酒徳ごうわく(2003年)
●〈嘲笑グフグフ〉と〈熱狂おおーっと〉のあいだに ―久米宏テレビ朝日古舘伊知郎と(2003年)
●「ジャンルの横断」だなんて、いやらしい ―雑誌におけるアナーキーさについて(2003年)
広末涼子の「復讐」/青春とある時代の終焉?(2003年)
※そのほか、プラスアルファとして、近藤が高校時代に書いた文章を二本掲載

なんだか統一性のあるようなないような内容ですが、一応「時代の転換期」をテーマに原稿を集めて再編集してみたつもりです。なお、冊子のタイトルは、原稿を手直し(re-write)して再編集したということや、過去の自分や読者への返信(reply=re:)という意味を込めて『Re:Re:Re:』と名づけました(というか、そもそもこのタイトルはぼくが9年前に出そうとしていたミニコミ誌の名前として考えていたものなので、いわば名前自体が「re-cycle」したものだったりします)。
それでこの冊子を定価300円で、『ZAMDA』のバックナンバーとともに、なぜかYMOシャツ*1を着て売っていたわけですが、なかなか売れませんでしたねー。進呈分を除けば20冊刷っただけで、全部はけるよなとたかをくくっていたのですが、やはり無名ライターの文集なんて誰も買わないか。そんなわけで、来年はもっと有名になれるよう頑張ります。
これまでコミケでは結構知り合いとばったり出くわすことが多かったのですが、それが今回はあまりなかったなーという気がします(『QJ』創刊編集長の赤田さんなんかとは毎回のように会場で会ってたんだけどな)。あと、会場もたしかに人はいっぱいいるんだけど、いまいち熱気が感じられなかったと、一緒に参加した友人たちと意見が一致しました。何なんだろう、この盛り下がりぶりは?
でもまあ、めでたくコミケデビューを飾ったid:hitomisiriingさんとも会えたし(『Kluster』Vol.2は結構売れたのでは?)、前回品切れで買いそびれてしまった押井守MLの本も買えたことだし、収穫はひょっとしたら前回夏コミよりもあったんじゃないのかなという気はします。
なお、今回売れ残った『Re:Re:Re:』Vol.1はいずれ通信販売の注文を受けつけるつもりなので、いましばらくお待ちください。

*1:今夏発売されたYMOベスト盤の初回特別盤についてきたもの。