http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20040409#1081446407
「新人類的オザキ観」といえば、こんなものもありました。
編集部 原(律子)さんがマンガを描かれるとき、これだけはやりたくないな、ってこと、ありますか。
原 そういうこと考え出すと、アイデア浮かばないんだけど……昔の人みたいにムリヤリ見てる人の感情盛り上げてやろうとか、ムリヤリここで泣かすんだとか、そういうのって、もうダメだと思う。こんなこと、同じぐらいの年齢の人なら一人残らずわかっていてもよさそうなのに、そうでもないのがたいへん不思議で。
遠藤(雅伸) 「見栄講座」が面白かったのは、あれ、わかる人が見れば笑えるんです。だけど、わかってない人が見ると、なるほどこうやるのか、って本気で思っちゃう。
中森(明夫) 直球を避けるってことで言えば、女の子と付き合っても「愛してるよ」なんて言わないじゃない。(中略)でも、ああいうのはなんなんだろう、尾崎豊とか渡辺美里のいわゆるマジメなメッセージソング。*1
原 いまだにフツーの音楽に入っていけない人が聞くとか。
遠藤 ウソだってわかるからじゃない。文章だとクサいことでも、歌だと軽く「歌だよ」と言えちゃう。
中森 言葉が歌になると、もう意味が違うんですね。♪あいーしてるよ〜って歌えば違ってくるように。
ちなみにこの座談会に出席しているのは全員、85年に『朝日ジャーナル』で連載された「新人類の旗手たち」に登場している人たちです。それを考えると、87年の新春号というのはちょっと遅いんじゃないかという気もしますが、要は86年にこの連載が朝日文庫で単行本化され、また新人類が流行語になった(86年末の新語・流行語大賞では流行語部門の金賞にも選ばれている*2)ということで企画されたもののようです。まあ、そんなことでもなければこのメンバーで集まることなんてなかったでしょうけどね。なお、この座談会では、『朝ジャ』に登場したことについて、樋口さんが「あれに出てから仕事が減った」と愚痴ってたり、中森さんは写真撮影の際に「吉川晃司みたいに」と頼んだら、メイクさんが吉川晃司を知らなくて、キヨシローにされてしまったとか、そんなとほほなエピソードも明かされています。