週末のカタストロフィ

都内某所で開催された秘密上映会へ。隔月開催で今回が15回目となるこのイベントだが(3月に開催された前回のイベントでは、泉谷しげる主演のドラマ『誘拐』が上映されたことはすでに書いた)、きょうは日曜の夜ということもあってか客は10人いるかいないか。それでも出演者の居島一平・山田広野・坂本頼光・ヘブリスギョン岩月・二階堂晃の各氏はいつものハイテンション(特に居島・岩月の両氏)で語る語る。今回の特集はいかりや長介追悼ということで、ドリフ特集が組まれた。『ドリフ大爆笑』エンディングのパイロット版的映像(普通のより尺が長い)をはじめ、TBSドラマ『ムー』(1977年、久世光彦プロデュース)でドリフのメンバーが出演した回のダイジェスト、それからオンエア時に録画されたと思しき『全員集合』の前半部分がCMも含めてノーカットで流される。『ムー』では志村けんが顔を白塗りの殿様の格好で登場したのだが、これはあきらかに現在のバカ殿の原型だろう。
それにしても『全員集合』はいま見ても十分に面白い。今回上映されたのは時代物コントで、旅の途中一晩の宿に見つけた空家で志村けんがお化けや怪奇現象に遭遇するも、例によっていかりや長介(家老役)からは「そんなもんいるわけないだろ!」とあしらわれてしまう。さらには加藤茶が便所で用を足している最中に壁が倒れたり、志村が縁側で外に向かって小便をしていると(本当にそんなのばっかりだな……)縁側がいきなり家屋から外れて180゜回転したりとセットがどんどん崩壊していき、最後はいかりやもとうとう幽霊と遭遇し、天井からでっかい金だらいが落ちてきて彼の頭に当たってオチとなる。そう、ドリフは毎週こんなことをやっていたのだ。毎週毎週、大がかりなセットが崩壊してオチを迎える、「週末(=終末?)のカタストロフィ」ともいうべきコントを。
実はドリフについては、いかりや長介の逝去の直後にちょっと文章を書き出していたのだが、結局そのままほったらかしにしていた。この際なので改めてUPしておく。