その夜は浜松町にて田中北京氏と二人だけで前夜祭を挙行。テキトーに選んで入った居酒屋はガラガラだったが、とにかく食い物が安いので(味はまずまずだったが)、バカバカ頼んで飲み食いしていると、いきなり有線か何かでかでやまだかつてないWINKの「さよならだけどさよならじゃない」がかかりずっこける。その後もMi-Keの「想い出の九十九里浜」や相川七瀬の「夢見る少女じゃいられない」、安室奈美恵の「太陽のSEASON」、TUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」、大黒摩季の「夏が来る」、森高千里の「気分爽快」などなど、80〜90年代前半(時期的にいえばバブル崩壊前後か)に流行ったいま聴くとそうとう恥ずかしい、香ばしい曲ばかりが立て続けに流れ、ぼくらのくたびれた脳髄をさらに軟化させていくのだった。こりゃもう、歌いに行くしかねえだろ! というわけで、二次会はカラオケ店に河岸を変えて、二人で交互に歌いまくることに。ぼくが伊武雅刀の物真似で「子供達を責めないで」を絶唱(というか絶叫)したかと思えば、田中氏は吉幾三の物真似で「酒よ」を熱唱。さらに「秋桜」「無縁坂」でさだまさし対決、「昔の名前で出ています」「恋の山手線」で小林旭対決と、物真似歌合戦を展開する。で、1時間延長してトータルで三時間みっちり歌った結果、そのお代は1万1千円ちょっと……って、いくらおれたちがハメを外しすぎだからといって、この代金はちょっと高いんじゃなくって?