涼しい夏コミ

59年目の終戦の日は朝から雨だった。早朝5時少し前に起床してバタバタと準備。何とか7時40分頃には家を出た。いつもコミケに参加する時はどうしても大荷物になってしまうのだが、雨ともなればそれに雨具が加わってさらに荷物が増える。そのことにちょっとうんざりしつつも、いざ出てみると、ここ一ヶ月以上ずっと続いていた猛烈な暑さが嘘に思えるくらい涼しい。むしろこっちのほうが快適なほどだ。
自宅の最寄駅のホームに着くとすぐに電車にも乗れ、さらには新宿からのりんかい線直通電車には発車ぎりぎりではあったが乗ることができ、昨日とくらべたらずっとスムーズに目的地へ向かうことができた。それでもりんかい線の国際展示場前から会場に入るまでには15分ぐらいかかっただろうか。着くとすでに隣のブースの「サブカル堂」の面々はそろって準備を始めていた。開場前にはコミケット準備会に本日頒布する冊子の見本誌を提出しなければならないのだが、うちの『ZAMDA』はすんなり受領してもらえたのに、「サブカル堂」の『サブカル評論』については、一目見た準備会の係の人から「これはちょっと待ってください」と言われ、しばらく準備会の判断を待つことに。やがて戻ってきた係の人によれば、どうやら同紙最新号の巻末に付された「天使の辞典:サブカル淑女・紳士編」に著名人の名前がずらりと並んでいたのが引っかかったらしい。それでもこれはあくまでも批評の範疇だということで無事、頒布が認められる。それにしてもここまで準備会が頒布されるものにナーバスになっているとは、ちょっと驚き。
一般参加者の入場開始の10時から閉会する16時のあいだに、わが『ZAMDA』最新刊第12号は目標の20冊の販売を達成(昨夏は自分のサークル以外にも前日参加の「映像温泉芸社」のほうでも売っていただき、二日間で最新号を40冊売ったという成績から、一日だけの販売となる今年は単純に半分の売り上げを目標としたのだった。ただし持ち込むのは20冊よりもっと多いのだが)。千円という値段もあり、飛ぶように売れるというわけにはさすがに行かないが、それでもまずまずの成績である。
それに対して『サブカル評論』は、まさに「飛ぶように」という形容にふさわしい売れ行きを見せ、2時頃には完売してしまった。もちろんこの一因には、昨日のぼくの日記(id:d-sakamata:20040814)での宣伝効果も当然あったはずだと、誰が何と言おうが断言しておこう(笑)。だけどもうちょっと新刊は持ってくるべきだったんじゃないかなあ。定価も400円と、うちよりずっと安いんだし。まあ自分が寄稿している冊子が完売したことは素直にうれしいんだけどさ。
さて、毎回いろんな人と出会うコミケ会場だが、今回は“東京解析男”としてかつて『SPA!』や『Quick Japan』でもとりあげられたこともある塚本色夢さんid:sikenさん、『ZAMDA』最新号にも寄稿してもらったid:hitomisiriingこと山田和正さんなどと会う。id:sikenさんは、イメージしてたのと全然違うルックスでちょっと驚く。山田さんは「モスコミューン出版部」として、東浩紀氏のサークルと合同出展もしていたのだが、そのブースを覗くと佐藤心氏が『マリみて』か何かのキャラのコスプレをして本を売っていた。
それにしてもきょうは一日中涼しかったおかげで、ほかのサークルも前回・前々回以上にまわったような気がする(睡眠不足のせいで途中眠かったりもしたのだが)。むしろ雨が降ってくれてよかった、とさえ思う。
4時に閉会するも、ぼくは自宅に余った冊子を送るため宅急便受付の長い列に並ぶことに。ようやく手配を済まし、会場に戻るとすっかり会場は片付けられ、がらんとした空間が広がっていた。待たせていた「サブカル堂」の面々――田中北京氏、万里小路信房氏、伊勢海老天先生らと、会場を出ると、閉会から一時間以上を経たせいか、いつも乗る浜松町へのバス乗場の前に並ぶ人は思いのほか少なく、余裕で座ることができた。
その後、浜松町では『ZAMDA』『サブカル評論』両誌に寄稿している松原美由樹さんと待ち合わせ、和民で打ち上げ。その席で松原さんから、テレビ版の『セーラームーン』についてこんな本が出ていて、思わず買っちゃいましたー、と『美少女戦士セーラームーンひみつじてん てれび超ひゃっか』(ISBN:4097507915)という本を紹介してもらう。子供向けながら、大きなお友達の鑑賞にも十分耐えられるような編集にはぼくとしても少し惹かれるものが……(笑)。ちなみに版元は小学館。『セーラームーン』の初出は講談社の『なかよし』だが、現在では版権は講談社から離れているらしい。このほかにも松原さんからは、魔夜峰央先生の意外な秘密や、中日ドラゴンズの優勝祝賀パーティーの話などいろんな話を聞き、改めて「松原さんの引き出しの数にはいつも驚かされるねえ」と田中さんと一緒に感心してしまった*1

*1:松原さんは中日新聞系列の会社に勤務する一方で、とある少女マンガ家さんの秘書もしているほか、趣味で演芸のミニコミ誌を出していたりもする。