打ち上げを済ませ、松原さんと別れたあとは、喫茶店に入って次号『サブカル評論』の企画会議にぼくも参加させてもらう。発行人の田中氏も編集長の万里小路氏も、それぞれ色々と事情を抱えていることもあり、次の冬コミでの発行をどうするかが懸案になっていたのだが、それも何とか打開案を見出し、ひとまず年末の発行が決まる。さらにその特集、もはや同紙の名物となりつつある「天使の辞典」の次回のテーマも思いのほかすんなり決定。その後、10時頃に高崎から来た万里小路氏と海老天先生が終電の時間が迫っているということで(思えばお二人は日帰りだったのだ。ご苦労様です)先に席を立つ。
田中氏は今晩泊まる友人宅に友人が帰るまでもう少し待たないといけないというので、ぼくも付き合う。と、ちょうどさっき帰って行った二人と入れ替わるように、二人連れの男性が店に入ってきて、ぼくらの近くに座った。しばらくして田中氏が小声で、二人組のうち金髪の男性を指して「あれ、ヒロシですよねえ」と言うので、改めてよく見れば、たしかにいま人気急上昇中の自虐芸人・ヒロシに間違いなさそうである。しかし、しゃべっているのをチラッと聞いたかぎりでは、素のヒロシは訛っていないのだな。
そんなわけで最後までネタに事欠かないまま、コミケの終わった夜はふけていったのだった。