十五夜の月が雲に見えつ隠れつする下で…

神宮球場にてヤクルト・中日戦を観戦。同点に追いつかれた直後の回、ここぞという時に森が2ランを打ち、逆転。そのまま中日が勝ち、優勝までのマジックはいよいよ1となる。
前回中日が優勝してから5年が経つ。思えば、ぼくがミニコミ誌『ZAMDA』を友人とともに創刊したのは、神宮で星野仙一が胴上げされるのを見届けた*1(そのあとのダイエーとの日本シリーズでは不甲斐ない敗け方をしたわけだが)直後だった。その『ZAMDA』にピリオドを打った今年また中日が優勝しようとしているのは、何というめぐりあわせだろう。いや、それだけではない。5年前といえば、『投稿写真』のリニューアル誌であるいまは亡き『TOP SPEED』の投稿ページを任されて勢い込んでいた時期でもある。これは現在、『ウラBUBKA』の書評欄を任され勢い込んでいるのと心境としてはまったく同じではないか*2
――と、試合終了後、グラウンドをあとにする選手や監督たちをフェンス越しにほかの大勢のファンの中に混じって眺めていたら、そんなこの五年のあれこれが胸に去来して(その上、酔いも手伝って)、ついグッと来てしまった。
とはいえ、一プロ野球チームの優勝と自分の人生を重ね合わせて感慨にふけるというのは、結局のところ自分がそれだけオヤジになったという証しのような気もするが。
さて、明日もまた神宮でヤクルト戦がある。これに勝つか引き分ければ無事中日は優勝となるわけだが、明日の天気は予報では雨。台風も近づいているようだし、どうも明日の優勝はおあずけとなりそうな気配だ。いや、5年前の優勝の日も、予報では雨だったはずだが、蓋を開けてみれば見事な秋晴れで、昼すぎにあわてて当日券を求めて球場前の行列に並んだ憶えがある。一縷の望みを捨てずに試合を待つことにしよう。

*1:この日、99年9月30日は東海村原子力関連施設で臨界事故が起こった日でもある。プロ野球の再編騒動の渦中にあった今年といい、優勝してもほかの話題にかき消されてしまうのは中日という球団の宿命なのか。

*2:さらに言えば、『ウラBUBKA』の現編集長であるTさんは、『TOP SPEED』のリニューアルにも深くかかわっているのである。これもまた何と言うめぐりあわせだろう!