『ウラBUBKA』12月号

『ウラBUBKA』12月号がコアマガジンより届く。前号より始めた書評の連載も何とか2回目を迎えた。入稿したのはついこないだの日曜だということを考えると(もちろんゲラなし一発入稿)、編集の方々の苦労が忍ばれる。
さて、今回書評でとりあげたのは、町山智浩『底抜け合衆国』(洋泉社ISBN:4896918436)、夏目房之介マンガの深読み、大人読み』(イースト・プレスISBN:4872574818)、早川いくをへんないきもの』(バジリコ、ISBN:4901784501)、古田敦也周防正行『古田式』(太田出版ISBN:4872335813)の4冊。前回の本のラインナップ(参照)については、「いかにも近藤が選んだという感じ」「あんまりサブカルっぽくない」などといった感想を友人たちからもらったのだが、今回は前回と比べるとサブカル寄りになったのではないだろうか。奇しくも、4冊のうち3冊が洋泉社イースト・プレス太田出版と、いずれも80年代に設立された*1サブカルチャー系出版社御三家(いまおれがつけた)から出た本が揃っているし。
この書評のほか、今回は特集「マンガ家のウラ」でも記事を書かせてもらった(どんな記事を書いたかは、実際に誌面でたしかめてみてください)。前号のガンダム特集に関しては、これまた友人から「2ちゃんねるなどで噂されていることが単にまとめられているだけという印象を受ける」「独自の取材や視点がないとオタク雑誌としては苦しいのではないか」というような感想ももらったのだけれども、今回はマンガ家によるひどい編集者の告発記事や、竹熊健太郎氏へのインタビューなど独自の取材・調査もあり、前号とくらべると特集に厚みが出たように思う。しかし、これだけの内容を毎月続けていくとなると、編集者もきついよなあ。『ウラBUBKA』のスタッフが『BUBKA』の編集と並行してこの雑誌をつくっているということを考えるとなおさらだ。

*1:太田出版が84年、洋泉社が85年、イースト・プレスが89年の設立。