いま一番読みたいのは辻井喬版の『弟』だな

大阪在住の友人から、昨日開かれた宮崎学氏主催の「関西突破塾」であきらかにされた諸々を聞く。昨日は宮崎氏とともに玉木正之氏も交えて講演が行なわれたようで、プロ野球の内幕が主たる話題となったようだ。
たとえば、プロ野球の新規参入は楽天ですでに決定しているとか(まあ素人目から見ても、楽天が出てきた時点でデキレースなんじゃないかと薄々感づいてはいたけれども)、渡邉恒雄が突如ジャイアンツのオーナーを辞めた真の理由は、自身の裏私産を右翼団体から追及されたからだとか、一方、堤義明がライオンズのオーナーを辞めたのは、会長を務めるコクドが保有する西武鉄道の持ち株比率を過少報告していたから(これによって本来親会社だった西武鉄道と子会社だったコクドの関係が逆転してしまった*1)というのはあくまでも表向きの理由で、本当は豊島園社長を務める実弟にも相続されるべき母親の財産を堤が独り占めしていたのを、弟に告訴されそうになっていたからだとか、ぼくとしても関心をそそられる話が多かった。
特に西武については、西武鉄道グループを率いる堤義明と、その異母兄で西武セゾングループを率いる堤清二との確執など、最近また興味を持ってあれこれ関連書籍*2を集めていただけに、友人との電話を切ったあとも、ついつい堤一族に関する記述をそれらの本から拾い出しては、一晩考えをめぐらしてしまった。
ちなみに豊島園の社長は堤康弘といって、義明とは四つ違いの弟である。宮崎氏の話では、今回のゴタゴタは彼らの母親からの財産相続問題だとされるが、この母親がいつ亡くなったのかと調べてみれば、何と20年も前なのだ。それがなぜいまごろになって問題が噴出してきたのか、どうもよくわからない。まさか、長いあいだ問題になっていたのに、兄・義明がずーっとシラを切り通してきたとか……!?

*1:ぼくはてっきりコクドのほうが、いっぱい土地も持ってるし、ずっと親会社だと思い込んでいたのだが、違ってたんですね。

*2:真鍋繁樹『堤義明の経営魂』、上之郷利明『西武王国』『新・西武王国』、上之郷編『堤義明は語る』、立石泰則『堤清二セゾングループ』など。なお、ここにあげた本は、なぜかそろいもそろって講談社文庫から出ていたりする。