来月号も宮台氏インタビューが載る模様

夕方、先日の文学フリマで久々に会った編集者のUさんにとある資料を渡すため高円寺で落ち合い、喫茶店でしばし話し込む。Uさんはぼくの太田出版での先輩(といっても入社は一週間ほどしか違わないのだけれども)で、現在は『情況』という雑誌に出入りしているという。『情況』というと、ぼくにはゴリゴリの左翼雑誌というイメージしかなかったのだが、どうやらUさんはそのイメージを少しずつ変えていこうということで、これまでに四方田犬彦坪内祐三宮台真司といった人たちへのインタビュー記事を掲載したほか、今後もインタビュアーに若手を起用するなどして、誌面の刷新を目指しているようだ。
その際、インタビュー記事のコピーをいただいたのだが、インタビューは録ったものをほとんど載せているのではないかと思うくらいの長尺で、注釈も実に充実しており非常に読みでがあった。またインタビュアーの河村信さんという人が、インタビューイのすべての著作を読んでインタビューにのぞんだのではないかという感じのインタビュアーの鏡みたいな人で、そのせいかどうか相手もぽろっと本音っぽいことを口にしたりしていて、これがまた面白い。ただ個人的には、四方田犬彦が80年代に浅田彰伊藤俊治らとともに雑誌『GS』の編集委員を務めたことについて、いま考えると、ニューアカデミズムという《不本意な党派性の中に自分が巻き込まれてしまっただけなんじゃないか》と後悔していると告白していたのには、同誌に惹かれるところがあっただけに、ちょっと残念だったが。
とにかく、『情況』にぼくのほうからも何か企画が出せないものか、ちょっと考えているところ。