新語・流行語大賞の可能性?

新語・流行語大賞が、その年最低の映画に授与されるアメリカのゴールデン・ラズベリー賞や失言や珍発言に贈られるイギリスのThe Foot in Mouth awardみたいになる可能性もあったのではないか? ようするにもらった人が喜ぶというよりむしろいやがるような、それも世間では権威とされるような人たちにとっては特に……といった賞になる可能性だ。いや、新語・流行語大賞にももともとそういう意図はあったのだと思う。それは84年の第一回に時の首相・中曽根康弘の発言を揶揄した「鈴虫発言」という語が選ばれていることからもうかがえるだろう。しかし、「ブッチホン」で小渕恵三が受賞し、受賞式で「リベンジ」の松坂大輔と「雑草魂」の上原浩治と仲良く一緒に並んだ99年あたりから、政治家の宣伝に利用されるようになってしまった感は否めない。2001年に小泉純一郎が年間大賞に選ばれたのは言わずもがなである。