かく言うワタクシも所詮は「自称情報配信業」

【社会】各地神社で単独使用か−偽札の原画像押収された男

年末年始に関西の神社などで記番号「ZY853618T」の偽旧1万円札が大量に使われた事件で、原画像を奈良県大和郡山市の自宅から押収された自称情報配信業、栗原一導容疑者(45)=偽造通貨行使容疑で逮捕=が、年始に伏見稲荷大社京都市)などに相次いで出入りしていたことが七日、奈良県警捜査二課の調べで分かった。
 「ZY」の偽札は同県内で昨年秋から何度も使われていたことも判明。捜査二課は栗原容疑者が単独で印刷し、関西各地で使用した疑いが強いとみて追及している。
 栗原容疑者は昨年12月、奈良市コーヒー店で偽1万円札を使ったとして5日に逮捕され、当初容疑を否認したが、その後認めたという。7日に送検された。
 調べによると、栗原容疑者が初詣で期間中、伏見稲荷大社のほか、住吉大社大阪市)や大神神社奈良県桜井市)を車などで訪れたのが確認されたという。
 「ZY」は伏見稲荷大社住吉大社などで相次いで使われ、7日までに八坂神社(京都市)などで新たに計15枚が見つかった。京都、大阪、兵庫、奈良4府県で年末年始に使われたのは少なくとも83枚に上った。
 奈良県内で見つかったのは昨年10月ごろからで、たばこ店や菓子店などで使われた。
 栗原容疑者の自宅には、関東や東北などで見つかった記番号の偽札や原画像はなかったという。

 ―サンスポ.com 2005年1月7日付 http://www.sanspo.com/sokuho/0107sokuho115.html

今朝方、このニュースをテレビで知って、「自称情報配信業」という容疑者の肩書に思わず笑ってしまった。団体ならまだしも、個人がこの肩書を名乗るのはそうとううさんくさい。だがうさんくささを感じつつも、わたしは心の奥底ではこの男に対してどこかシンパシーを覚えてしまうのだ。だいたい、本来無価値なものをさも価値があるかのように見せ、世間に流通させるという一種の「詐術」を要するという点で、ライター業と偽札づくりとでは大して違いはないではないか(どちらも印刷媒体を使うという点も共通する)。わたしとくだんの「自称情報配信業」氏の違いは、結局、その「詐術」が法律に触れるか触れないかという程度にすぎないのだ。
それならばせいぜいわたしは「詐術」のスキル(芸とも言うか)に磨きをかけて*1、自分の文章をさも本物であるかのように流通させ、できるかぎり貨幣と交換できるよういそしみたいと思う。
それにしても、たばこ屋や菓子店で使ったのはともかく、神社で使った(ということは賽銭として使ったのだろう)というのがマヌケというか何というか。別に何か商品と交換するというわけでもないのに。

*1:とはいえ、この容疑者の肝心なところで詰めの甘いどこかずさんな手口には、自分と似たようなものを感じてつい同情の念を抱いてしまったりもする。