気の早すぎる話

たまたまチャンネルを合わせた夕方のニュース(TBSの『ニュースの森』だ)で、皇室典範改定の話題がとりあげられていた。何と、おそろしく気の早いことに、愛子ちゃんが天皇となる場合夫にはどんな人物が選ばれるのかなどといった話まで出てきてげんなりする。果たしてそんな話は、いま差し迫った問題として議論すべきものなのかどうか。仮に今上天皇昭和天皇と同じぐらいの天寿をまっとうするとしてあと約15年、その後現在の皇太子に皇位が継承されて(その時点で皇太子は60歳ぐらいになっていることになる)さらに同様に在位が続くとして約25年と、単純に計算してもあと40年は猶予がある*1。40年後ともなれば現在この議論を推し進めている人の多くは、きっともうこの世にはいないだろう(などと書くのが不遜だというのなら、天皇・皇太子の死後を仮定して女性天皇の議論を行なっている人たちも十分に不遜だといえる)。
そもそもこんな話が当の愛子ちゃんの物心がつく以前から出てくるというのが、どうも腑に落ちない。女性天皇を容認するかどうかは、彼女が成年(ちなみに皇室典範では天皇・皇太子および皇太孫の成年は18歳と決められている)を迎えてからとか、早くても15歳ぐらいになってからにでも、本人の意志を確認しながら決めていっても十分間に合うようにぼくは思うのだが。皇位を継承する場合には必要になってくる帝王学も、とりあえずは愛子ちゃんの教育カリキュラムの一科目として組み込んでおくにせよ、いまはまだ彼女が天皇になるということは、あくまでも選択肢の一つにとどめておくべきではないだろうか。

*1:本当は皇族に限らず人間の余命を推測するなんてことは気が咎めるのだが、ここではあえてそのような推測をしてみた。何卒ご容赦いただきたい。