作家の日記に見る今回の芥川賞・直木賞授賞式

マスコミでは(ぼくが見たかぎり)ちっともとりあげられなかった今回の芥川賞直木賞授賞式(昨年の授賞式の際はあれだけ騒いだというのに)。しかし、星野智幸氏のようにこの手の集まりにはめったに行かないというような人までが足を運ぶほど、文学の世界では今回の両賞は一つの「快挙」であったのだろう。星野氏の日記ではこのほかにも、芥川賞直木賞の受賞者がパーティーの2次会・3次会までそろって参加したのは両賞が始まって以来の出来事だということも記されていたが、こうした些細なことにも、純文学とエンターテインメントの区分がもはや無効になっているという事実が現われているような気がする。
それにしても、角田光代さんが篠原一夫妻の結婚する際の保証人だったとは。いまでもそういう作家同士のプライベートでの深い交流というのはあるんですねえ。
あと、今回の芥川賞決定直後の高橋源一郎氏の日記(1月13日付)には、阿部和重氏は高橋氏に自身の受賞を伝えた際、中原昌也氏の携帯電話を借りたと書かれていたけど、ひょっとして阿部氏が受賞を知らされる際のあの赤い携帯も中原氏のものだったのだろーか?

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