東京/福岡から遠く離れて

※以下にUPするのは、10日以上前に書いておきながら、そのまま放ったらかしになっていたエントリーです。


http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/06/20g6u700.htm
第31回オリンピック競技大会開催概要計画書(PDFファイル)
東京都のサイトで、先月末に都がJOCに提出した2016年オリンピックの大会概要計画書が公開されている。各競技の会場がほとんど東京都心部に配置され、「世界一コンパクトな大会」を謳ったこの今回の東京の五輪計画だが、サッカーだけは東京以外にも、横浜、さいたま、鹿嶋の各競技場、さらには札幌ドームと大阪の長居スタジアムが会場としてあがっている。前者三都市は首都圏なので「東京」の範囲内ではあるが、ここで札幌と大阪が出てくるのはなんとも唐突だ。そう思ってよく考えてみたら、札幌と大阪は、いずれも近年夏季五輪開催に乗り出しながらも結果的に断念している都市ではないか*1。これってようするに、福岡市のみならず九州各地へ競技会場を分散した福岡に、東京・札幌・大阪の連合軍で対抗するってことなのかしらん……?
と思って、今度は福岡市の開催概要計画書を見てみると、ありゃりゃ、福岡の計画でも、札幌、大阪に加えて広島、新潟、宮城と福岡・九州以外の競技場がサッカーの会場としてあげられているではないか。これについて福岡市の計画書には一応、《全国的な盛り上げを図るため、広域的な配置を行います》と説明されているのだけれども、それにしたってサッカーだけなぜ特別扱いなのか? 東京都の計画書のほうに《決勝戦は(近藤注―晴海に新設予定の)オリンピックスタジアムで行い、グループリーグは6会場に加え、(財)日本サッカー協会と協力しながら、全国各地のスタジアムの追加も検討しています》と書かれていることから察するに、ひょっとしたらワールドカップ開催の経験をもつ日本サッカー協会の意向を配慮してのことなのかもしれないが。
ところで、福岡市のオリンピック計画は磯崎新(肩書は福岡・九州オリンピック招致推進委員会制作総指揮者)が中心となって進め、プロモーションビデオをCGアーティストの原田大三郎が手がけていたりと(PVはこのサイトから視聴可能)、何気に豪華である。東京のオリンピック計画の立案には安藤忠雄が深くかかわっていることだし、こうなると、磯崎と安藤という世界的建築家同士の対決として、国内での五輪候補地争い(勝負がつくのは8月末)を楽しむこともできるかもしれない。
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ただ、東京案で一つ気になるのはその開催期間。都心の交通量が減る時期であることなどからお盆の時期に開催期間(8月12日〜28日)が持ってこられているのだが、お盆といえば例年夏コミが開催される時期にもあたる。しかもここ最近のコミケ会場となっている有明東京ビッグサイトは、ハンドボールやフェンシング、テコンドーといった競技の会場に予定されているというではないか。もし万が一2016年に東京でオリンピック開催となったなら、果たしてこの年の夏コミはどうなるのか、ちょっと気になるところ。

*1:大阪は2008年五輪に正式に立候補し、北京などと争ったものの大敗を喫した。札幌は昨年市議会で一旦は五輪招致を決議したものの結局、今年2月に市長が招致見送りを表明している(http://www.bnn-s.com/bnn/bnnMain?news_genre=2&news_cd=220011027746&@)。