値下げした大宅と、リニューアルした都立中央に行ってきたぞ

 来週配信予定のソフトバンクのメルマガのテーマ「森田健作」について調べるため大宅文庫へ。受付で入館料として条件反射的に500円玉を出そうとしたら、「300円いただきます」と館員からいわれ、「あれ、そんな安かったっけ!?」と狐につままれたような気分になる。館内の貼り紙を見てようやく、今月1日よりコピー代とともに入館料が値下げされたことを知った。どこもかしこも景気の悪い話しか聞かないこんな世の中で、思い切ったことをするものだと感心する。ただ、まあ、公営の図書館とくらべれば割高なのは否めないが。それでもこの英断はありがたい。
 とりあえず、『週刊文春』とか『週刊朝日』などといったメジャー中のメジャーどころは都立中央図書館でコピーをとるほうが安くつくので、ここにしかなさそうな雑誌記事だけを索引からピックアップして、閲覧・複写請求を出す(それにしても、森田健作ぐらい『BIG tomorrow』が似合う人もいないなあ。ああ、説教くせえ)。
 記事のコピーを受け取ったところで大宅文庫をあとにし、すぐに広尾の都立中央図書館へと向かう。着いたころには日がとっぷりと暮れ、図書館のある有栖川宮記念公園には夜桜見物の人たちが集まっていた。
 しかし、大宅文庫といい、都立中央図書館といい来るのは本当に久々である。とくに都立中央は昨年5月より半年以上、改修工事のため閉館しており、使おうにも使えなかった(休館したのが、『私鉄探検』を書くための調べ物が済んだあとだったのは幸いだったけれども)。
 約一年ぶりに訪れた館内は、書架の配置もサービスもかなり変わっていて、戸惑う。何より、以前さんざん世話になった新聞・雑誌室がなくなっていたのにはあせった。カウンターに問い合わせたところ、新聞室のみを残して、雑誌は一部を除きすべて書庫に所蔵されてしまったという。また、立川の多摩分館に移された雑誌も結構あるらしい。ただ、とりあえずきょう必要とする雑誌は以前と変わらずあるみたいなのでひと安心。書庫から雑誌を請求する際には、パソコンから請求票をプリントアウトできるようになったものの(以前は書籍だけのサービスだった)、従来どおり手書きもOKだというので結局手書きで請求票に記入してカウンターに出す。これまで一回につき出してもらえる本は6冊までだったのが、12冊までと倍になったのはありがたい。
 そのあと、出してもらった本をスーパーにあるようなカート(これも新たに導入されたもの)に載せてもらい、コピーの受付カウンターの前まで移動。コピーの必要な箇所を指定して複写請求票を出す。資料請求も複写請求も、準備ができるとそれぞれ入館証と受付証の番号が、各フロアにある電光表示板に表示されるようになったのも、今回のリニューアルで変わったことの一つだ。
 余談ながら、一昨年利用した大阪府中之島図書館では、入館票でコピーも受けつけていた。それどころか、入館票にコインロッカーの鍵も傘立ての鍵も付属していて、これが大阪ならではの合理性かと妙に感心させられた。
 余談ついでに、わが故郷の愛知県図書館は、いまだにコピーはセルフのみである。官庁街・オフィス街という立地環境からしてコピーサービスを始めればきっと需要はあると思うのだが、単にそのための人を雇うだけの余裕がないのか、それとも、名古屋人は財布のひもが固いので、他人に割高の料金を払ってまでコピーは頼まないとでも考えているのだろうか。コピーサービスは、利用者にとって効率的なだけでなく、資料の保護という観点からも奨励されるべきものだと思うのだが……。これがほんの少し前まで地元企業からの税収入で潤っていたはずの自治体の図書館だと思うと、あまりに寂しい。あっちに戻ったら、愛知県図書館にコピーサービスを導入させる運動でも始めようかしら。
 さて、コピーを受け取ったのち、閉館時間の9時までまだしばらくあったので、持参したパソコンでも使おうと電源のとれる机を探したのだがなかなか見つからず。ようやく1階で見つけてパソコンを広げたものの、使えると思った無線LANには接続できなかった。あきらめてすぐにパソコンを閉じる。あとで調べてみたら、どうやら無線LANに対応しているのは4階の閲覧室だけのようだ(参照)。まだコピーをとっておきたい資料もあることだし、明日来てあらためて試してみることにしよう。
 9時前に図書館を出たところ、公園の花見は楽器演奏なども行なわれますますにぎやかになっていた。