みかん畑でつかまえて

 きのう付のエントリでもとりあげたベースボール・マガジン社の『週刊プロ野球セ・パ誕生60年』だが、記事もさることながら、同版元ならではの貴重な写真も多数掲載されていて面白い。
 なかでも気になったのはこの写真。
江夏と野村
 第7号「1980年」に載っていたものなのだが、南海ホークス時代(1976〜77年)の江夏豊(手前)と同チームの選手兼任監督だった野村克也が、なぜかみかん畑と思しき場所で一緒に画面に収まっている。いったいこれはどういう意図で撮られたものなのだろうか? みかんはホークスの親会社だった南海電鉄の沿線にあたる和歌山県の名産品だから、ひょっとすると同社の観光ポスター用に撮られたものなのかもしれない……と最初は思ったのだが、この分冊百科の写真は基本的にすべてベースボール・マガジン社所蔵のようなので、どうも違う気がしてきた。となれば、『週刊ベースボール』か何か雑誌のために撮られたと考えるのが妥当か。
 ちなみに、プロ野球ファンには説明するまでもない話ながら、江夏は阪神タイガースを追われた際、野村から「リリーフピッチャーに転向して、球界に革命を起こそう」と誘われてホークスに入団しており、いわば師弟関係にある。そう考えると、上の写真も何だかほほえましく見えてくる。