明日(26日)から始まるNHKドラマ『TAROの塔』の出演者はみんな実在のモデルとよく似せているが、とりわけ西田敏行演じる万博協会会長・坂崎康造の、モデルである石坂泰三との似せっぷりに吹いた。
山崎一演じる万博協会の事務総長・藤川昇一は、おそらく鈴木俊一(のちの東京都知事)がモデルでしょうな*1。(このモデルの見立てはどうやら間違いだったようだ。詳細は追記参照)
万博のテーマ館の総合プロデューサーの座をめぐっては、誰も引き受けてくれなくて、最後の最後で岡本太郎にようやく決まったという経緯があるが(たぶんそのあたりはドラマでも描かれることだろう)、万博協会の会長をめぐっても同様だった。できれば開催地である関西財界から選ぶはずが(一説には、松下幸之助が最有力候補だったとか)、けっきょく断念を余儀なくされ、ときの佐藤内閣の通産大臣・三木武夫の説得でようやく経団連会長だった石坂が引き受けることになったという。
ちなみに石坂は、小説家の谷崎潤一郎と同い年*2、府立一中〜一高〜東京帝大という学歴まで同じである*3。谷崎は1965年に79歳で死去したが、まさに同年、石坂は万博協会の会長に就任した。
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上の写真は、大阪の万博記念公園にある石坂泰三の胸像(2007年撮影)。そういえばこの写真を撮ったあと、大阪から近鉄特急で名古屋に向かう途中、車中の電光ニュースで城山三郎の訃報を知ったのだった。そのとき、私がとっさに思い出した城山作品のタイトルは『もう、きみには頼まない』……フリーランスにとっては縁起でもない言葉であった。
【2011.3.4追記】
読者の方から、ドラマ『TAROの塔』で山崎一が演じる万博協会の事務総長・藤川昇一のモデルは、鈴木俊一ではなく、その前任者(すなわち初代事務総長)の新井真一という元通産官僚であるとの指摘をメールにていただきました。
ご指摘によると、新井は万博協会の事務総長として万博テーマの画策や、岡本太郎への展示プロデューサーの依頼・説得に奔走したものの、志なかばで更迭されたということです(ちなみに新井氏はいまもご存命で、96歳になられたとか)。このあたり、もう少しくわしく調べてみたいところですね。
ともあれご指摘、ありがとうございました。御礼申し上げるとともに、お詫びして訂正いたします。