植木等と小林信彦

 NHK土曜ドラマ植木等とのぼせもん』のレビューを書くため、久々に小林信彦の『喜劇人に花束を』(新潮文庫)のうち植木等のくだりを読み返す。

ドラマの第1回で植木等が過労による肝炎で入院する場面が出てきたが、小林もこのとき見舞いに訪ね、植木が「自分の肉体に自信を失いましたよ」と口にするのを聞いたという。日付もはっきりしていて、1964年2月10日(東京オリンピック開会式のちょうど8カ月前だ)。当時の小林の日記を抄録した『60年代日記』(白夜書房)にも見舞ったときの記述がある。植木が入院したのは五反田の逓信病院(のちに渡辺プロダクション社長の渡邊晋もここに入院している)で、小林はこの日夜に訪ねていた。ちなみに同日の日記には、午後に砂川啓介の結婚パーティに出席したとの記述も見える。ということは、小林信彦は、大山のぶ代の花嫁姿を見ているのか!

 

喜劇人に花束を (新潮文庫)

喜劇人に花束を (新潮文庫)

 

 

小林信彦60年代日記―1959~1970 (1985年)

小林信彦60年代日記―1959~1970 (1985年)