日比谷・京橋・丸の内

中日ドラゴンズの優勝祝賀イベントに参加するため、昼前にのこのこと日比谷の中日ビルへ出かける。イベントとは言っても、酒が振る舞われたほかは、ロビーに優勝時の写真パネルの展示が行なわれたり、過去のドラゴンズの名試合を紹介したビデオや、優勝当夜に東海テレビで放映された優勝記念特番の録画がモニターで流されたり、といった具合で、実にささやかなものだった(それも1時間ぐらいしたら人もまばらになっていた……)。それでもファンとしては、過去のビデオが見られるだけでもうれしかったのだけれども*1
その後、そぼ降る雨の中、日比谷界隈をぶらぶら。そういえばこの夏に行ったら改修の最中で休業中だった京橋のINAXギャラリーも、そろそろ営業再開しているのでは……と思い、足を運んでみる。このギャラリー内にある書店「INAXブックギャラリー」では、建築や美術の棚にはいまとなってはなかなか入手しにくい本などが結構あったりして、銀座界隈に来るとだいたいいつも立ち寄っていたのだが、果たしてきょう来てみると、改修前より狭くなっていた。スペースも鰻の寝床みたいに細長くなり(参照)、置いてある本も建築や都市関係の書籍以外は少なくなっていてちょっと残念。とりあず店内をざっと眺めてから、今回は御祝儀ということで、INAX出版発行の建築雑誌『10+1』の最新号であるno.36を買って(今号の特集は「万博の遠近法」)、店をあとにする。
昼食はその近くにある喫茶店みたいな店でやけに薄い味噌ラーメンを食ってから(茶店でラーメンなど頼んではいけないと改めて思い知らされる)、さらに東京駅の丸の内側へと足を運び、先頃オープンしたOAZO丸善を視察。前夜の寝不足もあってか、ぎっしりと本が並ぶ大きな書棚に圧倒される。あんまり気力のない時に、こういう大きな書店には来るものではないかもしれない。ついつい、「世の中にはこんなに読まなくちゃいけないものがあるのか……」と抱かなくてもいい強迫観念まで抱いてしまう。けれども、一階(二階だったかも)の奥に行ってみるとちょっと心が安らいだ。そのフロアの奥は東京駅側に面していて、大きなガラス窓からはちょうど駅を出入りする列車が見られるのだ。さすがにいまは各線路、地上からの高さがまちまちで(仲でも中央線高架の橋桁の高さには驚いた。なぜこの線だけやけに高くなっているのだろうか?)、松本清張の『点と線』の一場面のように、駅に並ぶホームがすべて見通せるというわけではないが。しかし都内にあるトレインヴュー・スポットとしては、本を椅子に座って読みながら列車が眺められるわけだし、なかなかの場所ではないだろうか。『タモリ倶楽部』でもぜひともとりあげてほしい*2
そんな感じでOAZO丸善の各フロアを一通り見たのち(結局何も買わなかった)、とりあえず美術の棚にレモンを一つ置いてから(嘘)、東京駅から山手線に乗り仕事の打ち合わせのため高田馬場へと向かう。

*1:たとえば88年の優勝の時、マウンドで涙ぐみながら最後の一球を投げる郭源治の映像など、いま見ても泣けるなあ。あと、昔の映像を見ていたら、試合の最中にファンがグラウンドに侵入して選手と勝利を分かち合ってたりする場面が結構あって驚いた。

*2:テレビ朝日の長寿番組『タモリ倶楽部』ではよく、タモリをはじめ、カシオペア向谷実氏やホリプロマネージャーの南田氏などで集まって列車をいろいろな視点から眺めるという企画をやっているのだ。毎回タモリが延々と鉄道に関するうんちくを語っていたりして実に面白い。