「83年組」って、オヤジ系週刊誌が言い出しそう…

別件でちょっと大宅文庫に行く用事があったので、ついでに先日栗原裕一郎さん(id:ykurihara)から情報提供いただいた飯塚朝美について『文學界』2000年12月号をあたりチェック(ただしここでコピーすると高いので、きょうのところはメモだけで済ませる)。帰宅後、さっそく例の年表(http://d.hatena.ne.jp/d-sakamata/20040117#p2)に追加する。
飯塚朝美の受賞作「ミゼリコード」に対する選評を読むと、浅田彰が「古めかしい」「選考委員の一人はアイドル的な売り出し方をもくろんでいるようだが、わたしはそれに与しない」というような論調で全面否定しているのに対し、奨励賞を彼女に与えた当の島田雅彦は逆に古めかしいところを評価しているといった感じ。しかも「朝美は〜」と呼び捨てで……(笑)。
それにしても、この飯塚朝美も1983年生まれだったのには驚いた。同い年の書き手にはほかにも、島本理生綿矢りさ加藤千恵・三好万季・佐藤智加金原ひとみがいて(ついでに『りんごももか姫』の小倉優子先生も入れとく?)、もはや「83年組」という呼称も出てきかねない勢いである*1。そういえば、ちょうどバブルがはじけるかはじけないかのころに、マガジンハウスの広告に原律子中尊寺ゆつこ岡崎京子桜沢エリカらがそろって起用されたことがあって*2若い女性マンガ家(ちなみに原と中尊寺が62年、岡崎と桜沢が63年生まれ)の台頭を印象づけたが、83年生まれの書き手たちの脚光の浴び方は、そのことを少し彷彿させる。ひょっとして、どこかの広告代理店がかんでたりして!?

*1:厳密に言えば綿矢りさは84年生まれだが、早生まれなので学齢はほかの面々と同じ。

*2:キャッチコピーはたしか「マンガも描けば恋もする」というものだった……とほほ。