Culture Vulture

ライター・近藤正高のブログ

ついに綿矢りさのフォロワーが登場!?

そういえば今月の『ウラブブ』での書評について全然紹介していなかった。今回とりあげたのは、白岩玄野ブタ。をプロデュース』(河出書房新社ISBN:4309016839)、永井豪デビルマンは誰なのか』(講談社ISBN:4063646106)、重松清『スポーツを「読む」』(集英社新書ISBN:4087202682)と、さっきもチラッと書いた明石政紀『ポップ・ミュージックとしてのベートーヴェン』(勁草書房ISBN:4326851791 本書のみ2002年刊行)の4冊。
このうち今年の文藝賞受賞作である『野ブタ。をプロデュース』は、書店で手にとった時に「これって、綿矢りさの『蹴りたい背中』のアンサー(あるいはフォロワー)なんじゃない?」と直感してとりあげることを決めたものだ。実際に一読してみると、作中に描かれる世界や人間関係に『蹴りたい背中』との共通点がかなり見出せ、自分の直感はあながち間違っていなかったとホッとした。あと(これは書評では書くのを忘れていたのだけれども)、『蹴りたい背中』には一箇所だけ「(苦笑)」というのが出てきて2ちゃんねるなんかで「小説でこれはありなのか?」などと結構ツッコまれていたが、『野ブタ。をプロデュース』では頻繁に会話部分に「(笑)」が登場する。そんなところにも、どこかフォロワーっぽいものを感じた。ちなみに著者の白岩玄は83年京都市生まれであり、同じく京都市生まれで84年の早生まれの綿矢りさとはプロフィールまで似通っている。作品における世界観が似てくるのは当然といえば当然なのかもしれない。