Culture Vulture

ライター・近藤正高のブログ

鳥肌実とヒロシが似てるって!?

http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_05/g2005052703.html
昨日付の『夕刊フジ』に、鳥肌実とヒロシに共通点を見出すという記事が掲載されていた。いやー、たしかに両者ともピン芸人で、自虐ネタを演じてるけどさあ、それって別にこの二人に限ったことではないんじゃないの? というのが正直なところ。
そういえば、鳥肌ファンのぼくの友人は、以前、会社の上司に鳥肌実について訊かれて返答に困り、苦しまぎれに「綾小路きみまろに似た芸風の芸人」と答えたというのだが、むしろこの見方のほうがずっとしっくり来る。その語り口のリズムといい、観客に対して悪態をつくところといい、時に自虐的にふるまうところといい、またどちらかといえば活動の拠点は舞台であり、世代は違えども一部でカルト的な人気を集めているという点からしても、鳥肌実はヒロシよりも綾小路きみまろからのほうがより多くの共通点を見出せるはずだ。
ま、世間的にはすでにブームは過ぎてしまった鳥肌実の新作映画をPRするにあたって、『タナカヒロシのすべて』というその題名にかこつけて、わざわざ人気絶頂のヒロシを持ってきたというのはわからないでもない。別の友人はくだんの記事について、映画の宣伝にかこつけたものだとずばり指摘をしていたのだけれども、ぼくもそう考えるのが妥当だと思う。
それにしても、今回の映画で鳥肌実と共演したユンソナは、彼がライブでどんな芸を披露しているのか知っているのだろーか?(笑)
 ■
余談ながら、ぼくは鳥肌氏のネタでは、国士的な演説よりも、「息子のケンタ」が出てくるネタ(たとえば息子と一緒にミヤマクワガタを買いに行く話とか)が好きだ。あそこらへんの芸風を引き継いで、より豊富なレパートリーを生み出し、毎回一本のストーリーをきっちりと演じきることによって、さらに昇華させたのが殿方充だといえるのではないだろうか。そう考えると、殿方氏はかつての鳥肌氏以上にブレイクしていいと思うのだが……。