Culture Vulture

ライター・近藤正高のブログ

西武鉄道の新展開「飯能・西武の森」

 夕方、ふと思い立ち、西武新宿線中井駅前にある書店へ立ち寄る。この店には、『私鉄探検』の取材で中井に赴いたおり(このエントリをUPした日です)にたまたま入って、また来ようと思っていたのだ。そのとき立ち読みして、金が入ったらここで買おうと思っていた十文字美信の写真集『感性のバケモノになりたい』(求龍堂  ISBN:4763007300)はすでになかったけれども。
 その帰りがけ、中井駅構内に掲示されていたポスターで、西武鉄道が「飯能・西武の森」(リンク先はPDFファイル)*1と名づけた森林の保全活動を始めたことを知る。拙著『私鉄探検』でもとりあげた「トトロの森」の運動に触発されたのだろうか。同社がかつての開発一辺倒の方向から脱却しようとしていることがうかがえる。
 以下は、MSN産経ニュースでの関連記事(5月16日付)。これによれば、「西武の森」に指定された地域はもともと大規模住宅の開発のために取得されたものだったようだが、2005年に計画は断念されたという。ちょうど堤義明が逮捕された時期と重なる。

オオタカの森、西武鉄道が5カ年計画で整備 埼玉
2008.5.16 03:45
 西武鉄道所沢市)は15日、飯能市飯能鵜ノ首などに所有する約77ヘクタールの森林を「飯能・西武の森」と名付け、今年9月から5カ年で間伐や遊歩道の整備をすると発表した。同所は、オオタカの営巣地として知られる天覧山や多峯主(とうのす)山周辺で、飯能市が「景観緑地」として指定している地域。今後、市と協力してエコツアーの実施や間伐材の利用なども検討する。
 西武鉄道によると、同所は5年前に間伐して以来、整備をしていなかった。今回、地元の森林組合に間伐や枝打ちを委託するほか、遊歩道の道案内や、植物の名前表示なども整備する。5カ年計画終了後も継続的に手入れをする。
 景観緑地は、飯能市が条例で定める景観を保全する地域で、所有者に補助金が出る代わりに、森林の整備が義務づけられている。
 同地域は、西武鉄道が大規模住宅開発を目指して昭和40年代に取得したが、社会情勢の変化などから平成17年、計画を断念していた。
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/080516/stm0805160347001-n1.htm

 帰宅後、五輪陸上男子400メートルリレー決勝をテレビで観る。日本が銅メダル。ボルトを擁するジャマイカはもう別の次元といった感じだった。

*1:なお、「西武の森」といっても、元監督の森祇晶のことでも森繁和(現・ドラゴンズコーチ)のことでも森慎二デビルレイズに移籍ののち現在はリハビリ中)のことでもない。