サブカル誌の中のサブカル誌?

と、そんな『ウラBUBKA』最新号をつらつらと読んでいてふと、佐々木敦氏が『Quick Japan』の「ハルカリ特集」で書いていた文章を思い出した。それは次のような書き出しで始まる。

 まず始めに断わっておくけど、僕は「サブカル」とか大嫌いだからね(笑)。
 だったらこんな雑誌に書いてんなよ! とか言わないこと。僕がイヤなのは、対象それそのものではなくて、その背景にある諸々のややこしい関係性だとか、往々にして顔の見えないどこかの誰かに仕組まれた見え見えだったり巧妙だったりする種々のからくりとかも込みでオモシロがろうとする姿勢で、そういうのを「サブカル」と呼んでいるわけ。
 ―佐々木敦ハルカリ論」(『Quick Japan』vol.54、太田出版、2004年)

 この佐々木氏の「サブカル」の定義からすると、表紙に「世の中をウラから眺めるエンターテインメント誌」と銘打たれた『ウラBUBKA』はまさにサブカル誌の中のサブカル誌ということになるんだろうなあ……。
 ところで、「サブカル」の好き嫌いに関してはともかく、「サブカル」をある種の事物を包括するジャンルとしてではなく、面白がり方・楽しみ方の姿勢としてとらえるという佐々木氏の考えには、大いに共感するところである。おそらく、最近になって2ちゃんねるに新設された「サブカル板」あたりでよく取り沙汰されている「サブカルチャー」と「サブカル」の違いというのも、結局は楽しみ方の違いということで説明できるのではないだろうか。