マーチ マーチ 始まります♪……う、鬱が……

結局、山本現代には行けなかったorz
某誌より依頼された原稿(4000字)がまだ上がらない。関係者各位にはこの場を借りてお詫び申し上げます。ごめんなさいごめんなさい。週明けまでには何とかしますので。
昔から3月というのは鬱状態に陥りやすい月で、執筆意欲もガクンと落ちがちである。この「マーチ・ブルー」とでも言うべき病に、今年もまたズブズブと足をとられつつあるのかもしれない。それを何とか食い止めるべく、ここ一週間、頼まれた仕事はすべて引き受け、鬱になっている暇なんぞつくらないようにしたつもりが、気がつけばうずたかく積もった仕事の山を目の前にして、手をつける前からすっかり途方に暮れてしまうのだった*1。嗚呼。まあでも、何とかしなくては。
ちなみに抱えている原稿の一本は、またしても「電車男」がテーマなのだが、一応引き受けてはみたものの、もういいじゃん、というのが正直なところ。皆さん、柳の下に二匹も三匹もどぜうはいないということが、ここ半年弱の「電車男」をめぐるメディア展開を見てよくわかったんじゃないですか? きょうキャストが発表された映画版も、6月の公開じゃ(ってえらい突貫制作になりそうですな)遅すぎるんじゃねーの? って気がしますし。……まあ、ここは一つ、そういった愚痴や悪態を交えつつ、原稿を手がけてみることにしましょうかね。
ところで、最近たまたま本棚から小林恭二の『電話男』(ISBN:4894567059)を引っ張り出してきた時、初めて「電車男」がこの作品名をもじったものである(偶然かもしれないけど)ことに気がついた。いま読むと『電話男』はネット社会を予見したものにも感じられるのだが、「電車男」の物語の成立の仕方は、同じ小林恭二の初期作品でもどっちかというと『小説伝』(ISBN:4828821856)で描かれているそれと似ているような気がする。
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『電話男』といえば、このあいだたまたまネット上で、小林恭二が自身のデビュー作であるこの作品について語っているのを見つけたのでリンクしておく(http://www.hekitensha.com/interview/05.html)。このインタビューによると、小林は小説家になろうと覚悟を決めて、大学を卒業してすぐ当時発売されたばかりで数百万円もしたワープロを購入したという。それから3年半を経て『電話男』が完成。同作が海燕新人賞を受賞し、同誌に発表されたのは1984年のことだった(ぼくの手元にある岩波書店の『日本文化総合年表』を見ると、同作が掲載されたのは『海燕1984年11月号とある)。1984年といえば、日本文学史上初めてワープロで書かれた小説とされる安部公房の『方舟さくら丸』が発表された年でもあり、そう考えるとこの年は、日本文学の電子化が始まった記念すべき年だともいえる。

*1:いや、売れっ子のライター諸氏の仕事量とくらべたら、いまぼくの抱えている量なんて屁みたいなものなのかもしれませんが、何分ここ最近ほとんど仕事がなかったものですから……。