すでに編集長のガリガリさんがブログで発表しているが(id:urabubka:20050521)、コアマガジン発行の雑誌で、ぼくが毎月書籍レビューを執筆していた『ウラBUBKA』が、本日発売の号でこれまでのサブカル路線に一応の区切りをつけて、新たな体制に移行することとなった。これによって、同誌は現在の編集部と執筆者の手を離れることになり、誌名も『裏BUBKA DVD』と改められるという。
思えば、『裏BUBKA』がリニューアルし、『ウラBUBKA』と表記を変えて現路線に転進したのが昨年の9月だから、一年も持たなかったことになる。ぼくはこの事実を、先月末にちょうど次号の打ち合わせをするつもりで会った同誌編集者のソレンさんから知らされたのだが、彼としてもその数時間前に上層部から告げられたばかりで、まったく整理がついていない状態だった。そのときの彼の話によれば、先々月発売の「電車男」の特集号の売れ行きが芳しくなかったらしく、それで即路線変更が決まったようだ。それでも同号を除けば、号を追うごとに部数は増えていたようなのだが……。ここらへんのシビアさは、やはりエロ本の出版社ならではというべきだろうか? ちなみにコアマガジンでは、時期を同じくして『BURST』が休刊することとなった。
個人的には『ウラBUBKA』はぼくが初めて署名での連載を持った雑誌だったので、それがあっという間に一区切りをつけることになったのは大変残念である。ただし実をいうと、レビューのページも今月号では誌面の都合でなくなったため、ぼくの連載は先月号で終了しているのだ。自分としては先月号、先々月号に掲載された文章は、あまり満足の行かないものだったので、非常に忸怩たるものがある。それでも最終号に一本、短いながらも連載とは別に記事を書かせてくれたガリガリさんには感謝せねばならないが。
それにしても、いまさら言うのもなんだけれど、『裏BUBKA』という雑誌をその内容ごとごっそり方向転換するのであれば、「裏」をカタカナ表記に改めるだけでなく、思い切ってまったく違った誌名に――それもできれば『BUBKA』という名前を用いずに――変えるべきだったのではないか。ぼく個人としては『BUBKA』は好きな雑誌の一つだが、世間的にはダーティーなイメージを持たれているわけで、『ウラBUBKA』がリニューアル後も同誌の姉妹誌的な位置づけのままだったことは、その売り上げに少なからず影響してしまったように思う。少なくともこの誌名ゆえに、成人雑誌を取り扱っていない書店には置かれないという状況を招いたのは事実だろう(あと、中のページならともかく表4=裏表紙に出会い系の広告というのは、やはりどうにかならなかったのかと思う)。
まあ、つまるところ、ぼくは、『ウラBUBKA』が本当はやればできる子なのに、やるべきだったはずのことをやりきれずに、路線変更を余儀なくされてしまったことがくやしいのだ。おまえはおれと一緒に成長してゆくのではなかったのかと。そう考えると、同志を失ったような気分である。いや、マジで。
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そんなわけで、本日をもって『ウラBUBKA』はぼくらの手を離れますが、書店で見かけましたら、どうぞ手に取ってやってください。それでもし皆さんが買ってくださり、少しでも売り上げが伸びるようなら、同路線を引き継ぐ新雑誌を出せという版元へのアピールにもつながると思います。