最近の仕事 その1:「場」というテーマ
東京・お台場の日本一大きなライブハウスの真上、しかも観覧車の真下というロケーションにこの夏オープンしたトークライブハウス「TOKYO CULTURE CULTURE」(一部では「東京カルカル」と略称されているらしい)の仕掛け人のおふたりへのインタビュー記事です。ぼくが取材したのは、開店前でまだ工事の真っ最中でしたが、なにかがはじまるという予感に満ちていました(下の写真は、看板が取りつけられる様子を撮ったものです)。
記事のタイトルは、ぼくが考えたのではなく、担当編集者のかんば氏によるものですが、「新しい「場」を生み出す!」とあるのを見て、その直前にやはりソフトバンククリエイティブのメルマガ「週刊ビジスタニュース」に逆叉鈍甲名義で寄稿した「Mr.ウォークマンの死」(8月1日配信分掲載)との関連にいまさらながらに気づいたり。思えば、あの短文も、「場」の創出をテーマにしていたのでした。
そんなわけで、ふたつの記事をあわせて読んでいただければ幸いです。
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ついでに、「Mr.ウォークマンの死」を書くにあたって参考にした資料をあげておきます。
- 黒木靖夫『ウォークマンかく戦えり』(ちくま文庫、1990年 ISBN:9784480023797)
- 武田徹『メイド イン ジャパン ヒストリー』(徳間文庫、1995年 ISBN:9784198903640)
- 猪瀬直樹『日本凡人伝』(新潮文庫、1985年 ISBN:9784101389011/小学館、2002年 ISBN:9784093942416)
- ジョン・ネイスン、山崎淳訳『ソニー ドリーム・キッズの伝説』(文春文庫、2002年 ISBN:9784167651237)
- 増田通二『開幕ベルは鳴った シアター・マスダへようこそ』(東京新聞出版局、2005年 ISBN:9784808308360)
拙文のなかで、大賀典雄がウォークマンに無関心だったというエピソードを紹介していますが、これはジョン・ネイスンの著書に出ていた話です。ただし、この本にはなぜか黒木靖夫の名前は出てきません。ウォークマンが開発されたきっかけも、黒木の著書などでは、ソニーの若手社員が既存のカセットプレイヤーを改造して個人的に楽しんでいたのを黒木が見て、会長の盛田昭夫に報告した……というふうに説明されているのに対して、ネイスンの著作では、名誉会長の井深大が外国へ視察に出かけるにあたって、飛行機のなかでステレオレコードが聴けるプレイヤーを所望したことから開発されたと書かれており、まったく違っています。もちろん、どちらが「いかにもソニーっぽいか」といえば、前者のほうなのですが……。
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「週刊ビジスタニュース」には今月初めにも、「声に出して読みたい“泡沫候補”」というコラムを寄稿しています(9月5日配信分)。文中にも書きましたが、本稿執筆にあたっては、大川豊総裁の近刊『日本インディーズ候補列伝』(扶桑社)のほか、id:zaikabouさんのブログ「日毎に敵と懶惰に戦う」の3月27日付のエントリも参考にさせていただきました。ありがとうございます。