『小野田さんと、雪男を探した男~鈴木紀夫の冒険と死~』

このあいだの日曜(25日)にNHKBSプレミアムで放送されたドラマ&ドキュメンタリー『小野田さんと、雪男を探した男~鈴木紀夫の冒険と死~』がなかなか面白かった。ドラマパートで小野田寛郎の役に扮したのが塚本晋也と、小野田が赴任したフィリピンでの激戦を描いた映画『野火』の監督を選んだあたり(『野火』の舞台はレイテ島、小野田が残ったのはルバング島と場所は違うとはいえ)、配役の妙を感じた(小野田に投降を命じた上官の役が崔洋一と、これまた映画監督だったのは偶然なのか)。

小野田寛郎を発見した冒険家の鈴木紀夫については、以前、小野田の追悼記事を書いたときにちょっと調べたことがあるものの、雪男を追い続けた後半生を中心に初めて知った事実も多々あった(夫人が『大東亜戦争肯定論』で知られる作家の林房雄の娘ということには驚いた)。雪崩に巻き込まれて亡くなるという最期は不幸と言うしかないが、夫人も母親も番組中、生前から現在にいたるまで彼の生き方を全面的に肯定していたことに救われた気がする。