以下のエントリは、エイプリルフール用にUPしたもので、4月1日をすぎたら削除するつもりでいました。しかしブックマークしてくださった方もいらっしゃるようなので、とりあえず4月2日以降もこのまま残すようにいたします。ただ、あくまでもこれらは“偽書評”ですので(まあ、まちがえる人は少ないかとは思いますが)、その点あらかじめ念頭に置いたうえでお読みいただければ幸甚です。

書評:『北京の秋』ボリス・ヴィアン著

 中国の新富裕層のうたかたの日々を描いた『日々の泡』(『うたかたの日々』とも訳される)の続編ともいうべき、仏人作家ボリス・ヴィアンの新作『北京の秋』がこのたび刊行された。その題名どおりオリンピック開催後の中国に焦点をあてたものである。

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書評:『カフーを待ちわびて』原田マハ著

 永井荷風の小説『濹東綺譚』。映画監督の新藤兼人は1992年、この小説を原作に、さらに荷風の日記である『断腸亭日乗』のエッセンスを盛り込んで同名の映画を手がけている。本作はこの新藤監督版『濹東綺譚』(以下、新藤版と略)へのオマージュから書かれたものだ。

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