ソフト・オン・デマンド初の劇場映画『あゝ! 一軒家プロレス』の新宿シネマミラノでの上映がきょうまでということで、あわてて観に行く。久々に徹底して荒唐無稽な映画を観たという感じ。いきなりとんでもない事実があきらかにされて、物語が急展開してしまうところなど、十分にバカ映画の要素を満たしていると思う。
しかし、そういうふざけた中にも、この映画で原案・総合演出を手がけたテリー伊藤の自己パロディみたいなものが、劇中面白い絵を撮るためにはどんな汚い手も使う佐野史郎演じるテレビ・ディレクターに投影されていたように感じた。そういう点も含めて、しっかり楽しませてもらった。
でも一点だけ文句を言いたい。ソフト・オン・デマンド製作なのにエロが足りないよ、エロが! 大勝負を前にして気分を高揚させる橋本真也に対して、「私が抑えてあげる」といきなり彼のマネージャー(妻の妹でもある)役のソニンが上半身裸(でも映るのは背中だけ)になるシーンには、「おおっ、ソニン初の濡れ場か!?」とちょっと期待したのだが、結局橋本真也の体に噛みつくだけだったという……(何だかこのシーンだけ切り取るとアロマ企画のフェチビデオみたいだ)。
まあソフト・オン・デマンドとしてはエロのイメージを払拭するべく、初の劇場映画に臨んだということなんでしょうが、もし第二弾が撮られる機会があれば、ぜひエロをお願いいたします。たとえば、えーと、マジックミラー号に爆弾が仕掛けられて延々と走り続けるというパニック物とか、どうですかね?