大つごもりだというのに…

年の瀬ということと、財布に入っていた新五千円札を見ていたら何だか樋口一葉の「大つごもり」が読みたくなり、本の山の中からちくま日本文学全集の『樋口一葉』(ISBN:4480102418)を引っ張り出してきて読む。案外短い上に、一葉の文章は文語体ながらすごくテンポがよくてすぐに読み終えてしまった。一言でいえばいい話。そのちょっと意外なラストには思わず、主人公・お峰が住み込みで働いている家の放蕩息子とこれからどうなっていくのか、いささか少女マンガチックな想像を膨らませてしまう。しかし年末にお金がなくて往生しているお峰の伯父一家の描写はとても他人事とは思えなかった。
いやー、ぼくの懐にもお金が本当にないのですよ。明日振り込まれる予定の原稿料も、送られてきた明細を見たらびっくりするほど少なくて本当に困りますた。おまけにきょうは水道料金を再三の請求があったにもかかわらずうっかり支払っていなかったため、いよいよ東京都水道局から水道を止めるぞという最終通告のハガキが届き、青ざめちまうありさまで。まあ、それでも年は暮れゆくんですが。いやいや来年こそは稼がないと……。