批評家ソンタグさん死去 米政権を鋭く批判
【ニューヨーク29日共同】「他者の苦痛へのまなざし」などの評論を通じ、米政権を鋭く批判してきた米国屈指の批評家で作家のスーザン・ソンタグさんが28日、ニューヨーク・マンハッタンのがんセンターで死去した。71歳。死因は発表されていないが、1970年代に乳がん治療を受けたという。
33年1月、ニューヨークでユダヤ系の家庭に生まれた。シカゴ大学に入学、17歳で社会心理学の講師をしていた夫と結婚。51年に同大を卒業後、ハーバード大学に学び修士号取得、英国やフランスに留学した。男児をもうけたが、その後離婚した。
63年、長編小説「恩人」でメリット賞を受賞。66年には「反解釈」で評論家としての活動も開始。ベトナム戦争などで米国を批判し、フェミニズム運動の論客としても知られ、雑誌編集者や教師などさまざまな分野で活動した。
(共同通信) - 12月29日17時36分更新http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041229-00000093-kyodo-ent
「思想界のナタリー・ウッド」(本当にそう呼ばれてたらしい)死す。『ラディカルな意志のスタイル』(ISBN:4794921705)も『土星の徴しの下に』(ISBN:4794936753)も『ハノイで考えたこと』(ISBN:4794925158)も買ったはずなのに、本の山の向こうに行ってしまったのか探しても見つからず*1。それでも『写真論』(ISBN:4794958668)と『反解釈』(ISBN:4480082522)はすぐ出てきたんだけど。『反解釈』は23、4ぐらいの時に旅行に行った大阪から東京に帰る夜行電車の中で読んだ記憶があるものの、あんまりよくわかんなかった(いま読むとまた違うんだろうが)。でも『写真論』は好き。この本で写真は模型であるといったことをソンタグが書いているのを読んだ時は、ふとドラえもんのひみつ道具の「インスタントミニチュア製造カメラ」*2を思い出したものだ。
それはそうと、ソンタグの生き様がまたかっこいい。彼女は17歳で結婚して一児をもうけながらも英仏留学からの帰国後離婚し、子供を連れてNYに出てくる。当初は本の編集者や大学の講師をやって食いつなぐも、やがて学者への道を捨て筆一本で生きていくことを決意。それからというものがむしゃらに原稿を書きまくり、《睡眠をけずりコーヒー漬けになっての猛烈な仕事ぶりが、……語り種となった》という(香川檀「スーザン・ソンタグ 「うわべがすべて」の超モダニスト」、朝日新聞社編『二十世紀の千人6 メディア社会の旗手たち』朝日新聞社、1995年)。おれはソンタグの爪の垢でも煎じて飲まなきゃいかんな。
ところでネットでソンタグの著作を検索した際、関連書として『ブックストア ニューヨークで最も愛された書店』(晶文社、ISBN:4794965583)なんて本を見つける(この本は松岡正剛も「千夜一冊」でとりあげていた→http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0727.html)。これ、読みたい。