野間大坊に顔向けできない

愛知県の南知多町美浜町が合併して発足する市が「南セントレア市」という名前になると聞いて、ホラ話にしては出来が悪いなあと思っていたら、事実だとわかって愕然とする。セントレアなんて、所詮埋立地じゃないか。埋立地の名前に埋立地ではない土地が従属するなんざ、文字どおり陸(ろく)でもない。浦安市埋立地の舞浜から名前をとって「舞浜市」と市名を変えるとか、あるいは木更津市東京湾アクアラインの途中にある人工島の名前にあやかって「海ほたる市」と名称変更するようなもんだ。いや、舞浜や海ほたるだったらまだそれぞれの市に属するからいい。セントレアと称する海上空港は別に南知多・美浜の町内にあるわけでも何でもないのだ。だいたい自分のところの土地をほかの土地からの方角で示すような地名ってのは、アイデンティティを放棄してるのに等しいからね(南知多ってのは、知多地方の南部って意味だから違うけど)。
ま、それは中国から見て太陽の昇る方角にあるってことでつけられた、どっかの国の名前にも言えることなんだけどさ。
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そういえば昨年の大晦日の晩に、うちの実家のある地域一帯で変な地鳴りとともに地震があったなあ。規模としては本当に小さかったのだけれども(震度1だった)、震源地が知多市の沿岸で、揺れたのもごくごく限られた地域だったというのが何とも不気味だった。その時ふと、阪神・淡路大震災の直後に、関空の工事で大阪湾に柱を打ち込んだのが地震の原因だとまことしやかにささやかれたことを思い出し、ひょっとして今回の地震も伊勢湾上への空港の建設が影響しているのではないかと考えてしまったほどだ。ま、たぶん考えすぎなんだろうが。