黒川芽以と綿矢りさ新作

綿矢りさ芥川賞を受賞した直後、とあるサイトに「あなたたち、りさたんに黒川芽以ちゃんあたりのイメージを重ね合わせてるんでしょ!」なんて一文が書かれてるのを見て、思わずPCに向かってうなずいてしまったのだが、瓢箪から駒と言うべきか、どうやら今週から始まったNHKの朝ドラ『風のハルカ』では、黒川芽以が高校生で作家デビューする少女の役を演じるらしい。
風のハルカ』公式サイト(http://www.nhk.or.jp/asadora/)には、第二週のストーリー紹介として以下のような一文があった。

そんなある日、アスカが『家族崩壊』をテーマにした小説で有名な文学賞を受賞し、身内が集まってささやかなお祝い会が催される。
http://www.nhk.or.jp/asadora/story/story02.html

考えてみれば、第二週で早くも準主役が成功を収めるという展開は、いままでになかったのではなかろうか。それにしても、朝ドラにまで少女作家が登場とは……。
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なんてことを書いていたら、当の綿矢りさのデビュー作である『インストール』がついに文庫化されたとの情報(http://www.kawade.co.jp/bunko25/index.html)を、id:sikenさんの日記(id:siken:20051006)経由で知る。この文庫版には書き下ろしで、「You can keep it.」という短編も収録されているようだが、これが芥川賞受賞第一作ということになるのか。そういえば、今週末に発売されるはずの『文藝』冬季号にも新作が掲載されるという噂もあったっけ(mixi綿矢りさコミュニティでの情報によれば、そのタイトルは「ぶっかけ氷ミルク」というものだとか)。本当に載るのかどうか、これまた同じ号に発表されるはずの今年度の文藝賞受賞作ともども気になるところ。噂の女子中学生作家・三並夏の「平成マシンガンズ」はどんな作品なんだろうなあ。
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振り返るに、『インストール』の単行本が店頭に並んでいるのを見て、初めて綿矢りさという作家の存在をぼくが知ったのは、いまからかれこれ4年前の11月、丸善京都河原町店でのことだった(その京都河原町店も間もなく、来週月曜に閉店されてしまう)。彼女の地元だけあって、地元紙での紹介記事のコピーをPOP代わりにあの本が店の一角に積み上げられていて、ちょっとした衝撃を受けたものである。