代々木公園に五輪競技場構想…東京招致にらみ
東京都の2016年の東京五輪招致で、メーン会場を東京・渋谷の代々木公園とし、10万人規模の新スタジアムや選手村を建設する大再開発構想が進んでいることが28日、わかった。
再開発面積は100ヘクタールを超え、総費用約1兆円を見込む巨大プロジェクト。関連施設を集中させることで、国内外の招致合戦に勝ち抜こうという狙いで、実現すれば、1964年の東京五輪以来の“首都大改造”となる。
構想によると、再開発の中心となる地域は、代々木公園(54ヘクタール)と、北側に接する国立オリンピック記念青少年総合センター(8・4ヘクタール)、南側の国立代々木競技場(9ヘクタール)を含む計71・4ヘクタール。さらに、約2キロ離れた国立霞ヶ丘競技場や神宮球場、東京体育館などが集まる神宮外苑(35ヘクタール)も対象となる。
代々木公園内には、開会式や陸上競技に用いるメーンスタジアムを建設。国内最大級の約10万人収容のスタンドを整備し、「選手が歩いて行ける場所」に滞在施設(選手村)を作る。また公園内には水泳競技のプール新設も検討されている。
一方、神宮外苑では、58年建設の国立競技場を壊して、サッカーの主会場とする約7万人収容のスタジアムを建設。バレーボールなどの会場を想定する東京体育館も建て替え、神宮球場を「ドーム化」する案も出ている。
都によると、五輪招致の第一条件は「優れた開催計画を持つこと」で、中でも選手村の立地は選手のコンディション維持や警備面で最重視されている。神宮外苑は選手村からバスで約5分という至近距離。
12年の開催が決まったロンドン五輪も、選手の8割が選手村から20分以内で競技場に行ける便利さが高く評価されており、都では、主な競技を代々木・神宮一帯に集約することで「利便性」をアピールし、招致運動を有利に進めたい考えだ。
また、64年の東京五輪は93か国・地域から5133人が参加したが、昨年のアテネ五輪は202か国・地域で1万1099人が参加。観客動員数も飛躍的に増えており、前東京五輪の施設では収容能力が著しく不足するとみられている。
日本体育協会会長の森前首相が先月16日、都庁で石原慎太郎知事と会談、「大がかりな再開発が不可欠」との方針を申し合わせた。
(読売新聞) - 10月28日14時34分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051028-00000006-yom-soci
で、オリンピックが終わったあとも、でっかくしたスタジアムにはちゃんと使うあてがあるの?
まあたしかに、ここまでオリンピックがビッグビジネスになってしまうと、ある程度経済的に余裕がない都市でなければ開催が難しくなってきているというのはあるのかもしれない。今年7月に開催地が決定した2012年夏季オリンピックの誘致を行なったのも、当選したロンドンをはじめ、パリ、ニューヨークといった先進国の大都市だったわけだし。
とりあえず日本国内ではいまのところ、東京のほか、福岡が2016年五輪招致を正式に表明している(福岡は九州各地で競技を行なうというプランらしい)。また札幌でもすでに、2020年五輪の招致決議案が道議会で可決されているようだ*1。
ちなみに札幌は冬季五輪開催からわずか6年後の1978年にも、1984年の冬季五輪開催地として再度立候補してるのだが、旧ユーゴスラビアのサラエボに敗れている。まあいまとなってはこの事実はほとんど忘れられているのは、名古屋のおかげでしょうか(笑)。その名古屋でもオリンピック誘致の声が上がっているとか*2。愛知県人としては、もうええがやっていうのが正直なところだけど。
とりあえず日本国内でどこが正式に立候補するのかは来年にも決まるようだが、その前に各地とも住民投票などを行なって民意を問うたほうがいいのではないだろうか。招致活動の費用だってけっしてバカにならないだろうし。
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日本の夏季五輪招致に関する情報も含めて、オリンピックについては「Without Breathing」というサイトが毎回濃いエントリを更新していて面白い。
そのほか、ぼくが当サイトで以前書いた文章(「「2020TOKYO」といえば… - Culture Vulture」)も参考までに。