『華麗なる一族』と近代建築

d-sakamata2007-03-18

ドラマの最終回を今晩に控え、午後、約2時間にわたって『華麗なる一族』のダイジェストが放映されていました。そのおかげで、いままでほとんど見ていなかったぼくもこれまでのストーリーを把握した上で、最終回にのぞむことができたのでした。
近代建築ファンのぼくとしては、ドラマのあちこちに、有名な建物が出てくるのがうれしかったです。冒頭、万俵一族が正月に会食する志摩観光ホテル(村野藤吾設計)をはじめ、作中、通産省の庁舎として登場するのが帝冠様式で知られる神奈川県庁だったり、大川代議士の葬儀会場が、やはり帝冠様式の代表的建築である東京国立博物館の本館だったり、そうかと思えば、東博表慶館(片山東熊設計)が、万俵鉄平と父・大介との法廷闘争の場となった裁判所として登場したり。あと、阪神特殊製鋼の銭高常務の自宅はおそらく、江戸東京たてもの園に移築展示されている大川邸(堀口捨己設計、画像参照)ではなかったでしょうか。ま、ドラマの公式サイトのほうでは、志摩観光ホテルや万俵家の庭となった日本平ホテルなどの例外を除き、ロケ地は一切伏せられていますが。
ロケ地といえば、ドラマの舞台となる昭和40年代の神戸市街のシーンは、中国・上海にオープンセットが組まれて撮影されたそうですね(このセットは、TBSで一昨年に放映されたスペシャルドラマ『広島・昭和20年8月6日』でも、戦時中の広島市街の再現に使われていた記憶があります)。上海といえば、2010年に万博が開催される予定ですが、『華麗なる一族』の舞台が1970年の大阪万博を目前に控えた関西であり、セットにも「万国博を成功させよう」という垂れ幕が掲げられていたことを考えると、奇妙な縁みたいなものを感じました(まあ、個人的には、上海のセットで再現された神戸市街は、あまり日本の都市っぽくないなという印象を抱いてしまったのですが……)。