ベリ工「スッペシャル ジェネレ〜ション」の風景

先のエントリのなかで、「副都心線のテーマにはBerryz工房の『スッペシャル ジェネレ〜ション』がいいのではないか」などと、理由も書かずにチラッと書いたわけですが、種明かしをすれば、この曲には「池袋 過ぎたって この愛は え・い・え・ん」という歌詞が出てきて、その前に出てくる「地下鉄の中だって」というフレーズとあわせると、どうしたって副都心線を思い出さずにはいられないわけです(同曲の歌詞はこちらを参照)。
ま、もちろんこの曲の発表年(2005年)を考えると、同じく池袋を経由する有楽町線を歌ったものと考えたほうが妥当かもしれませんが。ただ、副都心線開業により、池袋の空洞化が懸念されていることを考えると、「池袋を過ぎたって」という歌詞にはよりリアリティが増してくるように感じられます。
いずれにせよ、「池袋 過ぎたって〜」という歌詞からは、幼いカップルが、デートか何かの帰り際に地下鉄に乗っていて、そろそろどちらかが先に池袋で降りるので別れなければならない、けれども、ふたりの愛は永遠だと確かめあっている――といった、そんな風景が読み取れます。
おそらく、カップルのどちらかは、池袋で相手と別れてからそのまま、東武東上線西武池袋線の沿線にある自宅へと帰るのでしょう。そんなふうに考えれば考えるほど、「スッペシャル ジェネレ〜ション」は、東京でもかなりディープな地域を舞台にした歌なのではないかと思えてきます。
ただ、速水健朗さんの近刊『ケータイ小説的。』(原書房)を読んでいたら、首都圏郊外の私鉄駅前でストリートダンスをしているような若者は、移動にはクルマを使い、電車にはほとんど乗らないらしい(しかも東京にはめったに出てこないという)のですが。とすれば、「スッペシャル ジェネレ〜ション」に登場する少女と少年はやはり、クルマの免許が取れる年齢に達する前の(当然移動には電車を使わざるをえない)ローティーンのカップルと見るのが妥当みたいですね。