エスカレーター「左空け」の境界はどこ?

とりあえず、先のメモに記したうち、「エスカレーターに乗る際左右どちらを空けるかの関東・関西での違いの境界は名古屋駅」についてだけでも。
エスカレーターに乗る際、関東では右側、関西では左側を空けるというふうに、習慣の違いがあることはけっこう知られていると思います。では、この境界はいったいどこにあるのでしょうか?
これについて僕はいままであまり気にとめていなかったのですが、今回、奈良から近鉄で名古屋に入ったとき、ふと気がつきました。名古屋では関東と同様、エスカレーターに乗るときは右側を空けるのが一般的です。しかし、近鉄名古屋駅の地下改札を出てから僕が乗ろうとした、JRや名鉄、地下鉄の駅へ向かうエスカレーター(そんなに長くはない)では、見事に左側が空けられているではありませんか(参考までに近鉄名古屋駅の駅構内図はこちら)。同じ名古屋駅でも、近鉄の駅だけでは関西での習慣が採用されているのだなと、そう感じた一瞬でした。このことから、関西の東端は近鉄名古屋駅である、と言うこともできるかもしれません。
ただまあ、これは正確な統計に基づいたものではないので、一概に断定することはできません。ひょっとしたら、僕が遭遇したのは、たまたまエスカレーターの先頭にいたのが関西の人で、その人が左側を空けたためあとの人がそれに追随したまで、ということも十分に考えられるでしょう。そのあたりは念のため、お断りしておきます。
なお、駅のエスカレーターにおける「左空け」の境界については、ネット上でかなりくわしく調べている人もいるので、参照していただければと思います。

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そういえば、「紙屋研究所」で司馬遼太郎の『覇王の家』がとりあげられた際三河出身の紙屋氏は、《日本全体からみれば、やはり名古屋も中間地帯なのだろうが、三河者からみれば名古屋はあきらかに関西の風をくらったしゃべりかたをする。だいいち近鉄、「近畿鉄道(原文ママ)」などというものが走っているではないか。もう、お前ら関西だ》と書かれていたことを思い出しました。上記のエスカレーターの一件からしても、それはある面では当たっているといえるでしょう。近鉄名古屋線と並行して尾張西部を通るJRの路線も「関西本線」ということですし。