Culture Vulture

ライター・近藤正高のブログ

グッとガマンの子であった

夕方、きょうが最終日となる四谷・荒木町のカフェ&ギャラリー・ゑいじうでの「『風雲児たち』を中心に みなもと太郎展」(id:d-sakamata:20050121参照)を観に行く。一階の喫茶店はぼくが訪ねるころにはすでにファンで満員だった。展示されているのは、展覧会のタイトルどおり、『風雲児たち』の原画が中心だったが、中には成人向け同人誌の表紙に描かれた美少女のイラストなど結構レアなものも。閉場の30分ほど前にはみなもと氏ご本人も来店し、その後はサイン会になったようだ。
ゑいじうでしばらく一服してから店を出ると、新宿まで中央線で出ようと四ツ谷駅まで歩くことに。実はゑいじうは、ぼくのかつての職場である太田出版のすぐ真裏にあるのだが、同社の入ったビルの手前にはいつの間にか高級マンションらしき建物が建っていて(自分が会社にいたころは、たしかその土地には料理屋があったはずなのだが)、思わず見上げてしまう。同じ通り沿いにはもう一つ、ぼくが会社に入ったころにはすでに建っていた高層ビルがあり、あの当時は建設が中断され野ざらしになっていたものの(かつては「バブルの塔」などと呼ばれていたように思う)いまでは「タワーレジデンス四谷」というやはり高級マンションになっているようだ。不動産業界だけはどうやらかなり景気が上に向きつつあるらしい。余談ながら、太田出版がテナントで入っているインテリジェントビルはもともとラブホテルだったらしく*1、そう言われてみればエレベーターには24時間音楽が流れっ放しだし、半地下にある会議室*2のトイレもどこか淫靡な感じがしたものである。
さて、四ッ谷駅前まで出て、なじみの書店に二軒ばかり寄ったのち、新宿に出て買い物。それから書評用の本を読むべく都営大江戸線を2巡ほどする*3。その帰りがけ、東中野まで出るとブックオフに立ち寄り、さらにミスドで一服。帰宅するころには11時をすぎていた。
きょうは結局、新刊5冊に古本6冊、CD2枚を購入。久々に書店をはしごしたせいか(タワレコにも寄ったし)、少々買いすぎた。それでも新幹線の試作A編成1002号の模型がついた『ラピタ』今月号(http://www.lapita.net/midokoro/index.html)は、一旦手を出しかけたもののグッとガマンしたのだが(笑)。
ちなみにきょう古本屋で買ったのは、600円以下の文庫・新書ばかり*4。そのうちの一冊、『黒船前後・志士と経済』(岩波文庫ISBN:4003315316)は、先日の日記でとりあげた「司王国」で「国父」として仰がれた歴史学者服部之総の著書ということから興味を抱き購入した。あと、ブックオフで買ったデズモンド・モリスの『ボディウォッチング』(小学館ライブラリーISBN:4094600280)は自分がいま中学生だったら確実におかずに使っていたはず(爆)。どうも、昔から(えっ、いまでも!?)解剖学的・構造的にセクースをとらえるきらいがあっていかんです。
 ■
大江戸線新宿駅のホームへ降りる階段の踊り場で、メロン記念日の新譜のポスターを見かける。今度のシングルのタイトルは「肉体は正直なEROS」というらしい。まあ、いやらしい。でもって、今月開かれるライブのタイトルは「むらたさ〜ん、ごきっ?」。これって、村田さんがリーダーに復帰することを暗に示してるとか、そーゆーことじゃないよね?

*1:こういう実例があるということは、ラブホテルの構造とインテリジェントビルの構造とのあいだには案外たいした違いはないのかもしれない。

*2:Quick Japan』にはよくインタビューや対談記事などで、本棚をバックにした人物写真が載っているが、それらはほぼ太田出版の会議室で撮られたものだと思ってもらっていい。

*3:ぼくがなぜ読書のために都営大江戸線を利用するのか、くわしくはhttp://d.hatena.ne.jp/d-sakamata/20050104/p4を参照してください。

*4:古本屋に入っても最近は千円以上する本はあまり買わないようにしていて、そういう安めの文庫・新書ばかり駄菓子のようにまとめて買っている。そういえばこないだ近所の書店で筑摩書房版の『伊丹万作全集』全3巻を見つけたんだけど、値段が1万円近くしたので、結局見なかったことにしたっけ。