日がな一日秋葉原

上記エントリをUPしたのち、睡眠もそこそこに、朝5時前には自宅を出て、中央線の各駅停車で秋葉原へ。秋葉原の駅を出るとすぐさま、フェデックスキンコーズ秋葉原店へと駆け込み、文学フリマ用の個人誌の印刷にとりかかる(店内の時計を見たら6時40分ぐらいだった)。それから1時間ほどかけて21部(うち1部は文学フリマ事務局に提出する見本誌用)分のコピーをとり終えた。驚いたことに、いつもなら必ずといっていいほどコピー機の操作に失敗して、無駄になる紙が出るはずが、きょうはそれが一枚も出ず。奇跡だ。勢いに乗ったついでに、ブースに掲示するサークル名を店内のパソコンを用い、Wordでちゃっちゃっとつくって、プリントアウトしてもらう。即席にしてはなかなかのものができたかなと自己満足。アキバに到着した時間にはまだ薄暗かった空も、会計を済ませキンコーズを出るころにはすっかり明るくなっていた。きのうの雨模様と打って変わって、きょうは快晴である。
さて、今度は印刷した紙を折って製本するとともに、朝食をとろうと、事前にネットでチェックしていたデニー秋葉原店に入る。途中食事を挟みつつ、作業は滞りなく進み、ホッチキスで全21部綴じ終えたのは9時ジャストだった。驚いたことに、いつもなら必ずといっていいほどホッチキスを綴じ損じて、無駄にするホッチキス針が出るはずが、きょうは一つも出ず。奇跡だ。おかげでぼくのテンションはますます上がる。
それからデニーズ近くの神田郵便局に寄り現金をおろしてから、ふと、ひとつ入用の品があるのを思い出して、文具店を探す。まだ10時前なので開いている店はなかなかない。一応足を運んでみたドン・キホーテも開店前。しばらく歩きまわっているうちに、気がつけばまたキンコーズの近くまで来ていた。キンコーズ前の横断歩道を渡る手前にはヨドバシカメラがあることに気づく。もしやと思い、フロア案内を見ると文具売り場もあることを確認。すぐさまエレベーターで売り場に向かい、くだんの品物を買い求める。
文学フリマの会場である東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎に着いたのは10時少しすぎた頃。サークル出店者の入場はすでにはじまっており、入口で落ち合った友人の万里小路信房氏とさっそく会場入りして、ブースの設営を行なう。
で、できあがった商品ディスプレイはこんな感じ*1

向かって左半分はぼくの個人誌『Re:Re:Re:』各号、右半分は万里小路氏の主宰するミニコミ紙『サブカル評論』各号と友人で某専門出版社の編集者である肉十八氏から委託された(というか強引に委託させてもらった)怪文集*2『実録・反省房』正続と、見事なまでの寄り合い所帯ぶりである。コミケ出店時のブースもほぼこんな状態で、回を追うごとに増え続ける冊子をどう効率的に、どの品も客の目につくように陳列するかが懸案となっているのだが、今回も結局ゴチャゴチャになってしまった。
ちなみに写真中央の「テケレッツのパア」と書かれた色紙は、わがサークルのスピリチュアルアドバイザーの田中北京正大師整体師(今回は出席せず)から、この呪文を願いを込めながら紙に書いて、ブースに置いておけば本が売れるとのお告げがあったと教えられ、実行したものである。何を隠そう、先述のヨドバシカメラの文具売り場で買った「入用の品」とは、この色紙であった。
肝心の売り上げはといえば、ぼくの個人誌新刊は持ち込んだ部数の半分以上を売り上げるというまずまずの成績。とはいえ、ここ何年かの文学フリマでの売り上げもこんなところだったはずなので、果たしてテケレッツのパア効果かどうかはわからない。
ともあれ、今年も文学フリマは無事終わった。当ブースに足を運んでくださった方たちに心より御礼申し上げたい。どうもありがとうございました。
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それにしてもきょうは、文学フリマ終了後の打ち上げも会場近くで行ない、結局朝から晩まで秋葉原にいた。つくづく秋葉原という場所の地の利を感じ入った。朝イチで24時間営業のキンコーズに飛び込み、その日売るコピー本の印刷を行ない、それからやはり24時間営業のデニーズで製本して、その足ですぐ会場に入るなんて綱渡りは、おなじ同人誌即売会でも有明東京ビッグサイトで行なわれるコミックマーケットの場合ではとうてい不可能である。その点において、文学フリマ秋葉原で開かれることにぼくは感謝しなくてはならない。会場や参加者の規模からいっても、開場前後の時間などに参加者の動きが大幅に制限されるコミケに対して、かなり自由の利く文学フリマは実に気が楽だ。もちろんコミケにはコミケの面白さがあるのだけれど、文学フリマにはできることならコミケのような巨大化を目指すのではなく、いまぐらいの規模を維持しつつ内容の充実を図ってくれればいいな、というのがぼくの勝手な望みである。

*1:撮影はぼくと同じく『サブカル評論』寄稿者の松原美由樹さん(id:miyurin)。どもありがとうございます。

*2:と様々な意味合いを込めてこう呼ばせていただく。